「
猫ノ眼時計
」★★★★☆
津原泰水
筑摩書房
2017.7.31 記
猿渡・伯爵シリーズの最終巻ということになっている。
第2作の「
ピカルディの薔薇
」同様、作品ごとのフォーマットはバラバラで、2人の役割やウェイトもまちまちだったりするのだが、醸し出す世界観は不思議と統一感を纏っているのがさすが。
各編の味わい深さや全体としての完成度の高さは、シリーズ1作目の「
蘆屋家の崩壊
」、あるいは「
11
」といった著者の他の短編集に譲る。