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「蘆屋家の崩壊」★★★★★
津原泰水
集英社
2009.3.10 記 |
京極堂シリーズの関口をもう少ししっかりさせたような主人公、猿渡と、主に謎解き役を担う、伯爵という綽名を持つ怪奇作家とのコンビが何とも絶妙。
そして肝心の筋も、限られた紙幅しかない短編でよくぞここまで、と驚嘆させる濃密なホラー。
登場人物のキャラクターゆえか、どこか飄然とした雰囲気は常に漂いつつも、怖い。
無駄な描写も足りない説明もなく、すべてが完璧とも思えるほどの怪奇譚揃いだ。
シリーズものではないようだが、ぜひとも彼らが動き回る作品をまた読みたいと思う。 |
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