第3日
2010年9月13日(月) 「マンタに会えなかったのは運命か」 2010.10.10 公開
6時起床。
この日の朝食はフレンチトーストと、ちゃんと昨日とは異なるメニュー。
たっぷりのフルーツが添えられたフレンチトーストの朝食
7:15、ガイド氏迎えのヴァンに再びスノーケリングのYさん夫妻と乗り込みダイヴショップへ移動、
そして前日と同様にボートで出航する。
港で出船準備を整える どんよりと雲がかかっている
今日のポイントはまず、島の東側に位置するゴフヌーチャネルという場所。
こちらもメジャーなマンタポイントの1つであるらしい。
この日は朝から東から吹く風が強く、潮の流れも速そうという見立てだったので、
あるいはポイントに着いてみて状況次第では場所を変えるかも、とのことだったが、
実際に来てみたら何とかいけそうだったので、無事に潜ることができた。
3尾のホワイトチップシャークやウツボなどを見ることができたが、またもマンタには会えず。
残すダイヴはあと1本、これは少々ヤバいかもな…。
水底で休むホワイトチップシャーク(ネムリブカ)
穴から顔を覗かせているウツボ
底を這っていた大きなヤドカリ
マンジュウヒトデの裏に隠れていたヒトデカクレエビ 大きさは1〜2cmぐらい
ヨウジウオの1種
ボートでフルーツを食べながら休息しつつ、2本目は昨日潜った西側のミルチャネルに移動することになった。
再びマングローヴの水路(といっても前日とは別の)を通ってひた走る。
途中、皆で腰をかがめて橋の下をくぐる
着いてみるとミルチャネルは大賑わい、3艘ほどのダイヴィングボートがすでに停留していた。
水中にも当然ダイヴァーが多く、えらいごっつい撮影機材を装備した人もいたり。
ライト等を身につけ、カニのようになっているダイヴァー
マンタポイントのチャネルでは、少しずつゆっくりと移動しながら基本的にはマンタの到来を待つ、
というスタイルなので、そこかしこにマンタを待ちわびるダイヴァーたちが屯している様はなかなかに面白い。
が、肝心のマンタが出てくれないことには面白いなどとはとても笑っていられないわけだが…。
結局、心の奥底で危惧していたことが現実となってしまい、なんとマンタの姿は拝めず!
こればっかりは時の運、相手が野生生物なので、もう仕方がないと諦めるより他はない。
無念。
ひたすらマンタの到来を待つが、願い叶わず
2本目で見られた主だったものは、オグロメジロザメやギンガメアジの群れ、
1尾で泳いでいたはぐれバラクーダなど。
この2日間の4本は総じて、水温も高く長時間遊ぶことができたダイヴだったので、まあ満足とせねばなるまいな。
悠々と泳ぐオグロメジロザメ
ギンガメアジの群れ
通常は群れでいることが多いバラクーダだが、なぜか1尾のみでフラフラ泳いでいた
テーブルサンゴの上で遊んでいる小さな魚たち
この日はYさん夫妻とともに午後から半日島内観光に参加することにしており、
ダイヴィング後、そのままボートにてベチャルという名の村へと移動、
準備されていたローカルフードのランチをピックアップして、そのベチャル村のビーチで皆で食べる。
ベチャル村のビーチに移動
魚やバナナ、イモなどのランチとココナッツジュース
マツカサウオやスズメダイの焼いたものに、バナナ、ヤムイモ、タロイモなど。
ココナッツジュースも。
運動後ということもあり、どれも非常においしく味わった。
食後、ベチャル村のファルーと呼ばれる建物を少々見学。
ファルーとは、英語で言うとメンズハウス、つまり“男の家”と称されるもので、
各村の海岸べりに建てられ、男たちが集って寝食を共にし、男の仕事を習い伝えたり作業を行うという、
原則的に女人禁制の集会所であるらしい。
海沿いに建てられたベチャル村のファルー
ファルーの中はこんな感じ
それから再びボートに乗り、リイという村へ行く。
ここはボートを操船している現地スタッフのおじさんの出身村だという。
残念ながら取り決めにより村内の撮影は禁止。
ヤップ最大とも言われているらしい石貨などを見てきた。
続いてまたボートで移動、ガノンという村へ。
ここではペバイと呼ばれる、ファルーとは異なるもう1種の集会所を見学。
このペバイはいわゆる一般的な村の集会所で、中心地に当たるような比較的開けた場所に建てられている。
村の集会所であるペバイ
この村のように伝統的な工法で造られた昔ながらのペバイもまだ多く見られるが、
中にはコンクリートなどでできた現代風のものもあるらしい。
特に2004年の台風で島が大きな被害を受けてから、そういった新築が増えてきているみたい。
ガノン村ではこの他、恒例の石貨や、ヤップの村の特徴の1つである石畳の小径などを見て回った。
数多く置かれたガノン村の石貨の1つ
真っ直ぐに伸びる石畳の小径
ヤップはマンタの他、ストーンマネー、「はじめ人間ギャートルズ」に出てくるような石貨が有名だが、
この石貨はもちろん普段使いのお金ではなく、もっと象徴的な存在であるらしい。
村と村との交易や、大きな取引における気持ちの表れのようなものだったという。
そしてその価値は大きさや形状などではなく、その石貨にまつわるストーリーによって決められるとのこと。
語り手の話すテクニックによってもかなり左右されそうだな。
ちなみに真ん中に穴が開いているのは、かつてそこにロープを通してカヌーで運んだからだという。
石貨の多くはパラオから運搬されてきたらしい。
半日島内観光は終わりを告げ、船でコロニアの港へと戻る。
途中、ジュースを飲んだ残りのココナッツの実を食べてみたが、ほんのりと甘かった。
いかにも高カロリー、といったイメージ。
帰りの船上でココナッツの実を食べた
15:30、帰港。
昨日は置いていったダイヴィング器材一式を今日は宿へと持ち帰らないといけないのだが、
水を吸ったウェットスーツが異常に重い。
ホテルの部屋で少し休憩してから、17時過ぎ、散歩へ出掛ける。
宿泊しているパスウェイズホテルのすぐ隣にあるブルーラグーンストアという
スーパーマーケット様の店へと入ってみたが、ここで激しいスコールが降ってきた。
雨宿りをしつつ店内を見学。
右側に見える白と青の建物がブルーラグーンストア その右隣、手前にパスウェイズホテルが位置している
ブルーラグーンストアの店内の様子
ほどなくして雨が止んだので徘徊を再開。
ヤップアートスタジオ&ギャラリーという、アメリカ人が経営している土産物店を覗いてみたら、
なかなかに高価で思っていたより品揃えも少ない。
だがこの店以外にめぼしい工芸品などを入手できそうなところもない模様。
こうした現象1つとっても、ヤップはいわゆる“観光地”として成立しているのではないのだな、
と窺い知ることができる。
行く前に想像していた以上に、秘境だ。
日本人観光客も、同宿のYさん夫妻には見かけない。
ガラパゴス、サンタクルス島のプエルトアヨラが大都会に思えるほどだ。
ヤップはなかなか一筋縄ではいかない秘境であった
18時過ぎ、ダイヴショップに寄って翌日予定している島内観光の段取りを打ち合わせ。
朝から出発し、午後からYさん夫妻も合流、夕方まで島を回ることにした。
打ち合わせ後、ショップのすぐ隣にあるヤップマリーナスポーツバー&グリルというレストランに入り、夕食を摂る。
港に面して建つヤップマリーナスポーツバー&グリル
サーフ&ターフという、ごはんの上にチキンと野菜が載ったものと、ポークココナッツカレーをオーダー。
なんだかよく似た見た目だが、味はなかなかのもの。
量もバカみたいに多くはないので、充分喰いきれる。
サーフ&ターフ
ポークココナッツカレー この他それぞれにスープorサラダがついている
20時過ぎ、部屋に戻りシャワー。
朝晩は涼しく、そして星がとても美しい。
これがナチュラルな夜空というものなんだな、と実感できる。
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