犬友達が所有されているゲストハウス、REN HANARE Hakubaに滞在する秋の白馬旅に行ってきた。
2泊3日の行程を通して天気に恵まれて白馬のポテンシャルを余すところなく味わい、また関係の皆さまのホスピタリティのおかげで、得も言われぬ素晴らしい旅となった。
2024年11月8日(金)
8時15分に家を出発、名神から中央道、長野道を辿って目的地を目指す。
恵那峡SAで昼食休憩をとっていたら、宿のオーナーであり、ご一緒させていただくYファミリーとちょうど出会った。
安曇野ICで高速道路を降り、白馬に近づくにつれて北アルプスの山並みが快晴の空の下に姿を現してくると、自ずとテンションが上がる。
カナディアンロッキーの旅を思い出した。
自然渋滞やら工事渋滞やらあり、2度の休憩込みで所要時間は7時間余り、16時前にREN HANARE Hakubaに到着した。
一足先に着いていた、今回一緒にお世話になるもう一組のUファミリーとも合流し、解き放たれた犬たちもはしゃぎまくり。
管理人を務めるKさんも出迎えてくれ、ご挨拶。
宿のロケーションの素晴らしさと居心地の良さに早々感銘を受けつつ、浮ついた心持ちで過ごしていたらあっという間に陽が暮れて18時、夕飯タイムがやってきた。
ご用意いただいていた白馬の地ビールで乾杯した後、管理人のKさんが手ずから渾身のメニューを振る舞ってくれる。
日較差が大きな長野は当然美味しい野菜の産地のはずで、そんな地の野菜や肉と魚介を使った各品の出来もさることながら、圧巻はメインディッシュ。
白馬で育てられた豚のスペアリブを特製のたれに4日間漬け込んだという、その謂れを聞くだけでよだれが垂れそうな料理ではないか。
BBQグリルでじっくり焼き上げられたそれはもちろん、皆が唸る感動ものの美味さだった。
元々はアウトドア業界をベースに経験を積まれてきたというKさん、プロの料理人ではないが、これぞ玄人はだし。
デザートは部屋の薪ストーヴで焼いた芋にアイスクリームを添えて。
このマリアージュに異を唱える人はいないだろう。
夜が更けていく一方で、気分は高揚していくばかり。
食後、皆で近くにある十郎の湯という風呂に出向いて浸かり、温まった。
ふと空を見上げると、スマホで撮ってもばっちり写る満天の星々。
私はやっぱり山が好きなんだなあ、と改めて思った夜。
宿に帰り、私は1Fのベッドルームではなく、リヴィングの一角にある広い小上がりで空水と無垢と共に夢の中へ…。
2024年11月9日(土)
目を覚ますと宿の庭には一面霜が下りていた。
6時前の気温は-2℃。
車を出す前にガラスの氷が溶けるのをしばらく待つ必要があった。
早起きして皆で向かったのは大出公園。
白馬の山々が美しく見えるスポットとして知られ、ここからの写真はパンフレットや書籍等にも多く使われているようだ。
しかし…公園に着くまでずっと視界がほぼ利かない程の濃霧の中。
宿の管理人・Kさんファミリーと愛犬・モモコとも合流し、不安を抱えながら眺望テラスに着くと…案の定、霧は晴れないまま、モルゲンロートの絶景どころか山のシルエットすら拝めないのだった。
やはり私は雨男…としょげていると、Kさんからこの霧の上まで行けば晴れているのではというアドヴァイスを頂くとともに別の展望スポットを教えてもらったので、皆で急ぎ向かうことと相成った。
辿り着いたのは、どんぐり村という地区にあるパノラマ展望台。
確かに、標高が上がるにつれ霧は薄くなり、ついには突き抜けてきれいに晴れ渡ったではないか!
そして展望台で目にすることができたのは、実に見事な雲海と雪化粧をまとった白馬三山が織り成す絶景。
大出公園でどよんと落ち込んだ気分は著しく跳ね上がり、歓声と笑顔が自然と溢れ出る。
暖かかった日の翌朝に冷え込むと霧が出るが、それは雲海を見られる一つの条件でもある、ということを思い出した。
後で気付いたが、ドローン持ってきたらよかった。
展望台を後にし、眼福の余韻に浸っていたところで、またもKさんから情報の矢が飛んできた。
朝、周辺の大型犬たちが集い遊ぶスポットが近くにあるのでぜひ、という内容。
もちろん行かない選択肢はない。
まだ少し時間が早かったので先客はいなかったが、教えていただいた河川敷の広場に到着すると、まさしくそこは楽園と称するのがふさわしい場所だった。
雲一つない青空の下にくっきりと白く浮かび上がる山々の頂。
首を巡らせればそこにはどこまでも清らかな松川の流れ。
緑の草原を駆け回り全身で喜びを表現する犬たち。
まだこの時刻、気温はようやく氷点下を脱したぐらいだったかと思うが、ナラ&ティナは躊躇なく川に飛び込んですいすい泳ぐという狂気の沙汰、いやこれが通常運転か。
そうこうしているうちにKさんとモモコ、そして近隣在住の外国人たちを含むお友達もやってきて、しばし国際交流に興じる人犬であった。
白馬在住だったらここは毎日来る。
楽園での犬遊びから宿に帰還し、ここでようやく朝ごはん!
Kさんが前日に用意してくれていたパンとサラミとチーズとフルーツ等を腹に収めて一息。
澄み切った冷たい空気に包まれながら、快晴の陽の光を全身に浴びるという、この季節における絶好のコンディション。
犬たちとともに建物裏にある天然芝のドッグランスペースで走り回ったり、サウナも設置された正面側でのんびり寛いだり。
宿を出て向かったのは、白馬に来たらぜひ訪れたかった白馬岩岳マウンテンリゾート。
特にグリーンシーズンに行っておきたかった。
ゴンドラに乗って頂に上がったが、発進時や各ポイントを通過する時の振動と騒音がなかなかのもので、ゴンドラ初体験の空水は右往左往の末、もう一切外は見ませんとばかりに、顔を伏せてしまった。
老朽化等のためにまもなくその役目を終えるという現行ゴンドラの断末魔をしかと聞き届けました。
秋晴れの土曜、当地はかなりの人出で混み合っていた。
MTBのコースもあるので、ライダーも多い。
山頂にあるTHE CITY BAKERYで買い求めたクロワッサンのサンドウィッチなどをつまみつつ、列に並んで順番を待ち、名物になっている山側にぴょこんと突き出たデッキスペースで記念撮影。
つくづく、今回の旅は天候に恵まれた。
1200mを遥かに超える標高ながら大変暖かく、上着不要の陽気だった。
下りのゴンドラに乗る前、空水は芝生の具合が心地良くて気に入ったようで、広場で延々ごろすりに興じ、見事な芝犬と化していた。
岩岳から下りた後は、我々が滞在するREN HANARE HakubaのオーナーであるYさんが別に所有されているレンシャレーという宿を見せていただいた。
白馬の一等地であるエコーランドに建つ、左右対称2棟の堂々たる威容。
内部もゴージャスそのもの。
いつかここにも泊まってみたい…。
ここの管理を任されているTさんとも色々楽しく話をさせていただいた。
続いては少しだけ南下し、青木湖の畔にあるao LAKESIDE CAFEに皆で赴いた。
ここで再びKさんと愛犬・モモコと合流。
まるでイングランドの湖水地方のような(行ったことないが)山と湖が創り出す光景に癒やされつつ、至福のティーブレイク。
サウナも併設されていて、利用者が水風呂の代わりに湖へと飛び込んでいた。
一息ついているうちに太陽が傾いて山の陰に隠れ始め、夜に向かって冷えてくる気配が濃厚に漂ってきた。
一旦宿に戻って体勢を整え、人間のごはんの前に同行のTくんおすすめの倉下の湯という温泉へ。
露天で浸かる源泉かけ流しのとろりとした湯はぬるめで長風呂にふさわしく、体の芯からしっかり温まった。
再び宿に帰ると、働き者のKさんが着々と夕飯を準備している最中。
前日とはがらりと内容を変えつつ、この夜も地の野菜やフルーツ、肉をふんだんに用いた珠玉の品々を作ってくれました。
ポテトサラダにサーモンに洋梨と生ハムとブッラータチーズにローストビーフに締めのパスタにデザートに…美味いの一言。
コーヒーを片手に薪ストーヴの揺らめく炎を眺めながらあれこれと語らっているうちに更けていく夜。
既に風呂も入ったので後は寝るだけ…って最高だな。
我々が呆けているその時間に、せっせと翌朝の食事まで準備してくれていたKさん、遅くまでありがとうございます。
2024年11月10日(日)
ようやく環境に慣れて本調子が出てきた無垢と空水のワンプロで幕を開けた3日目、最終日の朝も、快晴。
母屋裏のドッグランでナラ&ティナとも駆けずり回ってから、犬に続き人も朝ごはん。
炊きたての白米に管理人のKさんが昨夜仕込んでくれていた豚汁、そして当地名産の野沢菜漬と小谷漬。
前日のパンとは趣向を変えた心尽くしの和の朝食に、心身が癒やされる。
そろそろ荷物をまとめ、住みたくなるほど居心地が良かったREN HANARE Hakubaに別れを告げる時がやってきた。
10時に出立、まずはこの近くに開けた眺望が楽しめる広場があるということで、サンサンパーク白馬にご案内いただいた。
本当に宿から歩いて何分も掛からない目と鼻の先。
既に絶景のありがたみに麻痺しつつあるが、昨朝訪れた河川敷の広場と同じく、これは近所にあったら毎日来るわ…と感嘆するスポットでした。
続いて向かったのは、白馬三山の一つである白馬岳の登山口に位置する猿倉荘。
同行のTくんが前日に教えてくれたのだが、弊社で制作して直近に放送していたドラマの撮影地となった山荘が白馬にあるとか。
マップを見たら宿から20分ほどの道程だったので、せっかくここまで来たので…と、皆に付き合っていただいた。
Kさんも愛犬のモモコを伴って現地まで先導してくれた。
思った以上に細く険しい林道を上り詰めた先にあったぞ、猿倉荘。
この先の登山道である大雪渓ルートが通行止めとなっていることから、山荘も閉じられていたが、記念にぱちり。
後日、会社にドラマの撮影クルーがいたので写真を見せながら色々と裏話を伺い、ひとしきり盛り上がったとか。
この後、石川県に移動するUファミリーと猿倉荘で別れた後、今回の旅の最後にKさんが連れていってくれたのは、白馬村のお隣、大町市にある木崎湖を眼下に一望するまさに究極の絶景ポイント。
スキー場の敷地を貫く林道を延々と、一体どこまで上るんやろ…と不安が渦巻いてきた頃、ついに目的地に辿り着いた。
車から下り、期せずして溢れ出る賛美の嬌声。
パラグライダーの離陸スポットだそうだが、Kさんが"とっておきのお気に入りの場所"というのがよく分かる。
最後にもう一度記すが、つくづく天候に恵まれた白馬旅だった。
散々お世話になったKさんに別れを告げ、Yファミリーとともに蕎麦でも喰って帰ろうかと、安曇野IC近くにあるSOBA & CAFE sanpoに寄った。
屋内もわんこOKでドッグラン併設という犬連れにとってありがたい店だ。
肉そば、おにぎり、蕎麦を焼き固めた"まかない"に蕎麦を使ったスウィーツと、名水の地ならではの味を堪能した。
16時に高速に乗り一路、西宮へ。
駒ヶ岳SAで空水に晩飯を喰わせてからはノンストップで走ったが、この日も工事渋滞があり、自宅に到着したのは22時前。
1泊では無理があるが、2泊あれば行けるな白馬、ということが分かった。
楽しい旅だった。
皆さま、ありがとうございました! |