冒頭のヤマケンからいきなりとんでもない"極限力"をさらりと突き付けられ、ド肝を抜かれる。
ルートが光って見えたという松本大、母の死に目に富士山を走っていた大瀬和文、「息が切れない、苦しくならないんです」と言う吉住友里…。
皆それぞれがいわゆる山岳走におけるトップアスリートであるだけに、意識的か無意識的かは別としても、"ゾーン"に入る道筋をしっかりと持っている。
同じようなスポーツを底辺で楽しんでいる1人として、ディーン・カーナゼスの「ウルトラマラソンマン」や鏑木毅氏の「アルプスを超えろ! 激走100マイル」等と同様、超人たちの感覚を垣間見ることができる、興味深い1冊だった。
ただ、誤植があまりにも多いのが残念で、一読しただけで10ヶ所ほど気付いてしまったから、商業出版物としてはあまりにお粗末。 |