第3日
2009年1月6日(火) 「ハワイ島一周10時間の旅」 2009.1.19 公開
なぜか深夜1時過ぎに目覚めてしまい、それからなかなか寝付けなかった。
どうやらリズムがまだズレているらしい。
6:30に本起床して朝食ブッフェを摂る。
それから7:55迎えの車に乗り、溶岩ウォークとハワイ島一周観光を楽しむツアーへと出掛ける。
これはぜひともハワイ島に行ったならば赤く流れる溶岩を間近で見てみたい、と思い、
一番心待ちにしていたイヴェントである。
ツアー会社はアアツアーズというところ。
ツーリストは我々の他に、同年輩と思しき夫妻と少し年上っぽい女性2人組(後に姉妹と判明)の計6人、全員日本人。
ガイドは日系4世のジョー氏。
ジョーさんはもちろんハワイのネイティヴだが、見た目は丸っきり日本人で、使う日本語もほぼ完璧。
大方の日本人よりも正しい日本語を使うぐらいだ。
最初はちょっと無愛想に感じられたが、いざ出発して話し始めるとなかなかトークも上手く、
熟達したガイドであることが分かった。
移動中、車のオーディオ装置に接続されたヘッドセットを使って繰り出されるジョーさんの話は、
いかにもガイド然としたハワイ島の情報なども面白く散りばめられ、全然悪くなかった。
9時、出発してからおよそ1時間後、車はカイルア・コナの街の南方にあるロイヤル・コナというショップに停車。
ここではトイレ休憩を兼ね、ピーベリーという希少な豆を使ったコーヒーの試飲など。
街道沿いにあるロイヤル・コナというショップ
試飲用のコーヒーが入ったポット ピーベリーと書いてある
もちろん品物もたくさん売っていたが、ここでは何も購入しなかった。
その代わり、店の下にある工房でマカダミアナッツ入りのラムケーキを作っていた職人さんに、
「出来たてをぜひ1つ売ってちょうだい」(ちなみにこれは通常、
前日あるいは前々日に焼かれ箱詰めされた状態のものが店舗に並んでいる。
しかし作っている匂いがあまりに魅力的だったのでついつい)とお願いしたところ、内緒だよ、という感じで1つくれた。
これは実に美味かった。
店を出て、車はさらにハイウェイを南下。
天候は、朝は少し雲が多かったがこの辺りは快晴。
途中、地元の人々がトラックでゴミを捨てにくるというゴミ捨て場に差し掛かった時に
ガイドのジョーさんが言っていたが、ここでは燃やすゴミも燃やさないゴミも
すべてが無分別で一緒くたに捨てられているらしい。
もちろんそのような例はハワイ島に限ったことではなく、世界中の至るところで見受けられるのだろうが、
やはり総じて環境問題に敏感なのは都会の人ばかりのようで、
豊かな自然の身近にいる人たちほど、それらを失った場合を想定することには鈍感なような気がする。
インドネシアに行った時も同じように感じた。
日本でだって、海にポンポン無神経にゴミを捨てているのは漁師自身であったりする。
10:30、島の南端から少し東に回ったところに位置するプナルウ黒砂海岸に到着した。
島の南部にあるプナルウ黒砂海岸
溶岩が姿を変えた黒砂はサラサラしている
溶岩が経年変化して細かくなったものが正体だというこの黒砂、
手に取ってみてもなるほど、ツルツルしていてベタつきがない。
浜にはウミガメが1頭、昼寝をしていた。
海岸で熟睡していたウミガメ
法で4.5m以内に近寄ってはいけないらしく、それを示す立看板もあった。
本格的に暑くなってきた。
島の中央部に4000m級の山脈が走っているハワイ島は、
島の東側と西側ではまったく気候が異なり、風景も一変している。
すなわち、乾燥している西岸はひたすら茫漠とした溶岩台地が広がっており、
雨の多い東側はまるで東南アジアのジャングルのような様相。
その間に位置する辺りはアフリカのサヴァンナを思い起こさせるような景色であったり。
車はさらに東へ向かい走る。
道中、オヒアの木とレフアの花について、州鳥・花・魚について、帰化生物のマングースについて、
日系移民についてなどなど、面白い情報もいろいろとジョーさんは語ってくれた。
ほどなくして今度は世界遺産にも指定されているハワイ火山国立公園に着いた。
有名なキラウェア火山だ。
日本の火山地帯、あるいは温泉地のように、硫黄の匂いが立ち込めている。
そして眼下には巨大なカルデラ状のクレーターが広がり、やや遠方にはモクモクと煙が立ち上っている。
ハレマウマウから噴煙が上がっている
今も噴煙を吹き上げて活動している火口は、ハレマウマウという名らしい。
翻ってクレーターと逆方向には、マウナ・ロアと冠雪が美しいマウナ・ケアもよく見える。
遠くには雪を冠ったマウナ・ケアが見える ガイドのジョーさんによるとここまできれいに見えるのは珍しいらしい
ジャガー博物館の入り口
博物館内にはこのような説明書やパネルが多数
ジャガー博物館に少々立ち寄り、簡単にレクチャーを受けた後、再び車に乗り込んで少しだけ移動し、
サーストン・ラヴァ・チューブ、溶岩トンネルへとやってきた。
サーストン・ラヴァ・チューブの入り口脇にある立看板
溶岩トンネルの内部
まあひんやりジメジメした鍾乳洞のような回廊をくぐるだけと言ってしまえばその通り。
この辺りは本当に高温多湿のようで、まさに熱帯雨林といった感じの面持ち。
ラヴァ・チューブのある遊歩道周りの景色はまるで熱帯雨林
火山国立公園を後にし、向かったのはカラパナ地区。
1990年の噴火により、溶岩に町ごと呑み込まれてしまったというエリアだ。
メインイヴェントである溶岩ウォークの前に、まずは13:20、
カラパナ・ヴィレッジ・カフェという素朴な店で腹ごしらえ。
昼食を摂ったカラパナ・ヴィレッジ・カフェの入り口
すでに店の前には溶岩台地が広がり、
また遠くには溶岩流が海に落ち込むことによって発生している巨大な噴煙も見えてテンションが上がる。
14時前、店を出てまた少しだけ車で移動。
溶岩流に呑み込まれた道路の上に簡易に施された舗装路の上を走るなど、まだまだ噴火の爪痕が生々しい。
舗装路は襲ってきた溶岩の上にさらに補修を重ねており、噴火の爪痕が生々しく見てとれる
ここからがカラパナ地区溶岩ウォークの始まり
いざカラパナ地区の溶岩ウォークが始まった。
観光客もそれなりに多い。
15分ほどで海岸に出て、それ以降は立ち入りが禁止されていてもう進めない。
ここから先は立入禁止となっており進めない
2007年頃まではセルフリスクによってもっと奥へと進入することも可能だったようで、
その時はまさに眼前を流れる真っ赤な溶岩流を見ることもできたとのことだが、
現在は様々な事情によって人が入ることができる範囲が厳しく制限されており、
一般には生の溶岩を目にすることはできないそう。
そういうわけで我々も黒く固まった溶岩台地の上を歩き、
2kmほど離れた地点の海に落ち込む溶岩流が生み出す噴煙を目にするのみに留まった。
無念ではあったが、こればっかりは仕方がない。
もちろんそれなりの感慨は得ることができた。
ちなみに噴煙を上げている地点の地名はワイクプナハというらしい。
溶岩流が海に落ち込んでこのようなド迫力の煙を噴き上げている
赤く見える部分は一見溶岩流、かと思いきや、酸化するとこのような色になるそう
植物の生命力はたくましい
火山国立公園に来た辺りから雲行きが怪しくなってはいたが、
この溶岩ウォークの帰り道でついにザーっと雨が降り出し、結構な勢いとなった。
しかし車に乗り込んで移動を始めたらほどなくして止んだ。
カラパナを後にし、今度は島の東部を北上、ヒロの街へ。
ビッグ・アイランド・キャンディーズという大きな菓子店に立ち寄る。
ビッグ・アイランド・キャンディーズ
ネットショップはあるものの実店舗での購入はこの本店でしかできないというオリジナル商品を多数製作、
販売している店で、評判もかなりの様子。
実際、試食したクッキーも相当美味で、
なるほどこれは空港やどこでも買えるマカダミアチョコレートとは確かに一線を画する。
いくつか購入した。
ヒロの街を出、さらにハイウェイを反時計回りに走って広大なパーカーランチという牧場、
ワイメアの町(昨晩行ったメリマンズの前も通った)を通過して一気に帰路へ。
話していたら、ガイドのジョーさんはなかなかのカメラ好きで、
私が持っているニコン機の上位機種も持っているということが分かった。
この時も、きれいなサンセットをカメラに収めることができるように急いでくれたらしいが、
結局は惜しくも叶わなかった。
18時過ぎ、ホテルのあるエリアに帰着、
私たちは宿泊しているザ・フェアモント・オーキッド・ハワイが含まれている
マウナ・ラニ・リゾート内にあるその名もショップスというショッピング&ダイニングゾーンで降ろしてもらい、
ガイドのジョーさんとお別れ。
ショップス・アット・マウナ・ラニ
ショップス内を一回りうろつき、トミー・バハマズ・トロピカル・カフェで晩飯を喰うことにする。
ギター1本で男性シンガーがカントリーを歌っており、テラス席も備えた薄暗い店内はいい感じ。
私たちのテーブルについてくれた日本語が少しできる白人ウェイトレスのサーヴィスも快い。
マグロやアヴォカドが入ったポキ
トルティーヤスープ
ポークサンドウィッチ 2人でシェアすることを悟って最初から2皿に分けて盛ってくれた
ポキやトルティーヤスープ、ポークサンドウィッチなどを食べ、どれも美味かったが、
中でもパンに付けるシナモンとハチミツ入りバターは最高。
これは絶品だ。
値段も安く、非常に良い店、良い食事であった。
マウナ・ラニ・リゾート内を走るシャトルバスに乗り、20時、ホテルに戻る。
シャワーなどの後、22時就寝。
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