海洋空間ワシントンD.C.観戦旅行記



第2日
2003年4月13日(日)


完全に寝坊した。
前夜、「7:30にロビー集合して朝メシな!」と、
タカシマくんと約束していたのだが、
電話でタカシマくんに起こされたのが8:00前
すまぬ!
とりあえずメシは1人で行ってきてくれ。

シャワーを浴びて、8:50、ロビーに降りていく。
この日は試合のない中日、ツアー的にも終日フリーの日なので、
前日にオプショナル・ツアーである市内観光
(9:00〜13:00 $66)に申し込んでいたのである。
ツアー参加者20名ほどのうち、12名がこの市内観光に参加していた。

9:00、無事に参加者全員集合し、バスに乗って出発
今日も昨日に引き続き真っ青な空が果てしなく広がる快晴だ。
そして今日も昨日に引き続きガイドのYさんは頼りなさげだ。

アーリントン国立墓地
アーリントン国立墓地

最初の目的地はアーリントン国立墓地 Arlington National Cemetary
市内中心部より南西におよそ2キロほど、
ポトマック川 Potomac River を渡ったところに位置している。
ちなみにすぐ隣はあのペンタゴン(アメリカ国防総省) Pentagon
ペンタゴンは無論観光地ではないのでこの時は寄らず。
アーリントン墓地はひたすら広大な美しい芝生が続くなだらかな丘陵地帯で、
その芝生にはよく洋画の葬式のシーンなどで見るような
おびただしい数の立方体形の墓石が整然と並べられている。
ワシントンD.C.は桜が美しい街としても有名なのだが、
ここアーリントン墓地に多く生えている桜の木も、
とても美しい濃いめのピンク色した花を咲かせていた。
どの桜も、日本で見たことがあるものとは
やや種類が異なるようだったが詳しくは不明。
天気がよいというのもあるのだろうが、墓地を見学に来ているというよりも、
緑地公園にピクニックに来ているといったほうがしっくりくるような、
素晴らしい景観とすこぶる爽快な気分であった。
日曜日だったので駐車場には観光バスも多数停まっており、観光客もたくさん。

駐車場から15分ほど緩やかな坂道を登っていくと、
そこには第35代アメリカ大統領
ジョン・F・ケネディ John Fitzgerald Kennedy の墓もあった。
墓といっても立派な碑や墓石があるわけではなく、
地面に畳3〜4枚分ぐらいの大きさの大理石みたいな石でできた
長方形のプレートとがペタンと置いてあるだけで、
その上に永遠の炎だか何だか名前は忘れたけど、
永劫消えることのないとされる火がポォーっと燃えている。
そしてその横には、
深さ10〜20センチほどの浅い水たまりのような池が設けられており、
その池の上方に貼られた石版に
かつてケネディが演説などで語った名句が刻まれていた。
印象としては、とてもアッサリした、
何だか人工的な匂いがプンプンするお墓だなあ、と。

そもそもこのアーリントン墓地は、
軍人しか葬られることが許されていない国立墓地なのだが
故ケネディ大統領を初めとする著名人たちも例外なく軍出身者のみ)、
今のイラク戦争での戦死者もすでに相当数埋葬されているそうで、
そのスピーディさに感心していいものやらどうやら。

アーリントン国立墓地を後にしたバスが我々を乗せて次に向かったのは、
リンカーン記念館 Lincoln Memorial
橋を渡ってすぐ、1キロほどのところにあった。
基本的にD.C.の観光スポット、
主要な市内の建造物たちは半径3キロほどのごく狭い地域に集まっており、
根性出せばすべて徒歩で回ることも不可能ではない。
ちなみにそのエリアにはボクたちが泊まっているホテルや、
試合会場であるMCIセンターも含まれている。

リンカーン記念館
リンカーン記念館

リンカーン記念館は、まるでアテネのパルテノン神殿かと見紛うかのような
真っ白な石造りの建物であった。
付け加えると、こんなカンジ
(よく見ると細かいところは全然違うんだけど、パッと見はとても似ている)の
建築物がD.Cにはとても多いように、ボクには思われた。
リンカーン記念館の前には幅50メートルほどの石段があるのだが、
その途中の大きな踊り場は、
マーティン・ルーサー・キング牧師 Martin Luther King,Jr.
I have a dream 〜”の節で有名な
あの演説をぶちかましたところであるとのこと。

リンカーン記念館の中には
巨大なリンカーンの石像だか銅像だかがあるらしいが、
正直言ってリンカーンという人物そのものにはあまり関心がないので
中には入らない。
その代わりに、後方遠くに見えるひたすら細く高い建物、
その名もワシントン記念塔 Washington Monument に激しく興味を覚える。
ワシントン記念塔高さ166.5mある世界最高の石塔だそうで、
あまり高いビルディングがないワシントンD.C.では相当に目立つ存在である。
そのシルエットは市内の至る所から望むことができ、
ボクも前日空港からホテルへ移動する車中から、
そのある種、異様と評してもおかしくはないであろうシェイプを目にして、
「何だ、あの意味不明な石の尖塔は?」と瞠目させられた建造物なのである。

ということで、
かねてから(昨日から)興味津々だったあのワシントン記念塔の麓まで
ここは一つ行ってみようではないかと意気投合し、
タカシマくんと2人で歩き出す。
10分近くは歩いたので、恐らく距離は600〜800メートルぐらいはあったと思う。

残念ながら工事中だった反射池
工事中につき水が抜かれていた
反射池の向こうにそびえるワシントン記念塔

塔全体を映し出すために築かれたという、えらく細長い人工池の岸沿いを進む。
反射池 Reflecting Pool というらしい。
映画「フォレスト・ガンプ」で、ガンプが飛び込んだあの池、
と言えば分かる人も多いだろうか。
あいにくその時は工事中で水はほとんど抜かれていたけど。

ワシントン記念塔のあるあたりには大きな芝生の広場が広がっていた。
絶好の行楽日和だったので、ここにも家族連れや若者たちのグループなど、
たくさんの人たちが遊んでいた。
アメリカではサッカーは相当のマイナースポーツだ、
という風説がもはや常識として語られつつある最近だが、
塔下の芝生では10人ほどの青年たちがサッカーに興じていたよ。
それはイギリス人だったのではないか? というツッコミも上がりそうだが、
装備や顔ぶれ、構成などから察するにどうにも地元民だったに違いない、あれは。
テレビの中継でもMLS Major League Soccer をやっていたし、
アメリカ国内での人気も結構高まってきたのかもね。
ワシントン記念塔自体は近くで見てもまったくどうということのない、
本当にモニュメントとしての機能以外は果たさないであろう、
不可思議かつシンプルな建物だった。

実を明かすと、この市内観光コースの第2スポットであるここ、
リンカーン記念館での自由時間は20分間しかないのであった。
時計をみるともはや集合時間5分前、
歩いて10分弱かかった道のりを2人で走って戻る。
ハーハーゼーゼー。
何とか間に合ったぞ。

次なる目的地は大統領官邸ホワイトハウス White House
今回の観光コースの中ではボクが最も心惹かれている憧れの地である。
バスで10分ほど走り、少し離れたところに停めてみんなで徒歩で向かう。
歩いたのはホワイトハウスの東側を南北に通っている道、15番通り。
このあたりは街の中心も中心、道路も相当に広く交通量も多い。
そして時節柄なのか、それとも場所柄、普段からそうなのか、
市内をパトロールしている警官がやたらと目に付く。
この時は大きな幹線道路をカポカポと歩く騎馬警官隊も目撃してしまったよ。

市内を闊歩する騎馬警官隊
市内の幹線道路を闊歩する騎馬警官隊


ついに念願のホワイトハウスへと辿り着くが、
もちろん建物脇まで近付くことは適わず、
目測で80メートルほど離れたところを通る
遊歩道のフェンスに張り付いて官邸を眺める。
そこは皆さんもニュースなどでよく目にしているであろう、
大統領が演説をしたりするあの芝生がある側なのだが、
あれはホワイトハウス正面ではなくて裏側なのだそうだ。
正面側へは一般人が回ることはできないらしい。

ホワイトハウス
少し離れた遊歩道から眺めるホワイトハウス

ホワイトハウスの屋上には数人の警備兵が詰めていた。
そして脇にはスティンガーと数台の機関銃
スティンガーとは、肩に担いでブッ放す対空ミサイル砲だ。
うわあ、アメリカだあ。
しかも警備兵たちは見ている限りすごく一所懸命監視職務をこなしており、
常に双眼鏡を目に当てて四方に注視をめぐらせていた。

ワシントンD.C.の
文字通り中心部といえるこの周辺を歩いている時に特に強く感じたのだが、
そこかしこに建っている主要な建物たちがとても外観的に似ている
レストランやブティックなどのショップにしても大きな看板は出していないし、
建物そのものの造り、材質もみなとても似通っている。
グレーの石造りで建物全体も窓もひたすら真四角。
高さもどれも似たり寄ったり。
何だか道が覚えにくそうな街だなあ、というのが漠然とした感想。
あと、前にも書いたように市内には緑や花が多く、
とても美しいのどかな印象を与えはするんだけれど、
そのどれもから人工的な匂いがするな、ということも同時に感じられた。
芝にしても樹木にしても池にしても公園にしても、
すべてが手入れがきれいに行き届き過ぎていて、
その形状や仕上がりも極めて作為的である。
たとえば、池なんかは数学的に正しい左右対称の台形をしていたり、
その護岸もきれいにコンクリートで固められていたり。
同じ緑と水といっても、日本のそれらとは明らかに異なる印象を
ボクは感じた。

国会議事堂
国会議事堂

ホワイトハウスを後にして、続いては国会議事堂 U.S.Capitol に移動する。
何だかどこも同じに見えてきた。
国会議事堂といっても中には入れず、前に行って眺めるだけ。
しかも周りが工事中であまり景観もよろしくはなかったかも。
ほとりにいくつかの銅像が建っている、
国会議事堂の道を挟んだ向かいにある大きな人工池はきれいだった。

いよいよ観光コース最後のスポット、
スミソニアン博物館 Smithsonian Museums へ。世界的に高名なスミソニアン博物館
その名前と存在は知っていたが、それは一つの大きな博物館ではなく、
いくつかの博物館群の総称なのだということを初めて知った。
位置的には、国会議事堂から西へすぐ、
歩いても数分から10数分といったところだ。
このあとはそのまま博物館内にて現地解散するということなので、
隅々は後ほど各自で観るとして、
まずはガイドのYさんの先導でザーッと駆け足で施設内を回ることになる。

自然歴史博物館 正面
国立自然博物館

まず最初に案内してもらったのが、
国立自然歴史博物館 National Museum of Natural History
博物館に入ろうとして最初に驚いたのが、展示物ではなく、
入場の際のセキュリティのあまりの厳しさ
カバンを持っている人はその内容物を一つ一つ細かくチェックされ、
上着やズボンの中身もすべて外に出してチェック、
さらには金属探知機で全身くまなく検査。
空港における出入国を完璧に上回るシヴィアなセキュリティ・チェックだった。
正面入り口の前には、
そのセキュリティ・チェックを受ける人たちによる長蛇の列が出来上がっていた。
ちなみにスミソニアン博物館はすべて入場料無料なので、
老若男女様々な人たちが
気軽に訪れることができるスポットとなっているようだった。
家族連れや老夫婦、デートらしき中高生っぽい若者たちの姿も多数目に付く。

自然歴史博物館に入ると、大きな円形のロビーの真ん中に
アフリカゾウの剥製がシンボリックにデーンと置かれており、
ロビーからは放射状に各ブロックへと通じる通路が数本、
ロビーの隅には上階へと進む階段もいくつか見える。
Yさんに導かれるまま我々一同は恐竜エリアを抜け2階へと上がる。
2階で案内してもらったのは、
強化ガラスのケースに覆われた電動ターン・テーブルの上でピカピカと青く光り輝いている、
ホープ・ダイヤモンド Hope Diamond という巨大なダイヤモンド。

ホープ・ダイヤモンド
テレビ等でもおなじみ ホープ・ダイヤモンド

宝石にはまったく興味がないのであまり自信はないのだが、
確かホープ・ダイヤモンドとは
いわゆる呪いがかかった魔性の宝石として知られているダイヤモンドで、
所有者だったかその関係者が少なくない人数、
不慮の事故を遂げたりなどの不幸に見舞われている、
とかつて聞いた記憶がある。
マリー・アントワネットやデザイナーのカルティエなども
歴々の所有者として名を連ねていたはず。
そしてホープ・ダイヤモンドの横には、
マリー・アントワネットが使用していたという、
これまた大きな宝石がぶら下がったイヤリングも展示されていた。

宝石群を観た後自然歴史博物館を出た観光部隊は、
今度は国立航空宇宙博物館 National Air and Space Museum
という建物へと向かう。
中の照明も若干暗め、
どちらかというと重厚な雰囲気を醸し出していた自然歴史博物館と対照的に、
航空宇宙博物館の中は明るく、比較的ポップな造りといえる博物館だ。
しかし軽めのその雰囲気とは裏腹に、
ここに飾られているモノたち、実はすごいモノばかりなのであった。
ライト兄弟が初めて飛行実験に成功したフライヤー号や、
人類が初めて月面に降り立った時に乗っていた、
アポロ11号に積まれていた探査船
1975年、アメリカの宇宙船アポロ
ロシアの宇宙船ソユーズが初めて宇宙でドッキングした時の、
その両船の実物などなど、非常に目を惹く珍しい展示物がたくさん。

右下に下がっている機がフライヤー号
右下に下がっている白い翼の機がフライヤー号

世界各国の宇宙服や戦闘機などもたくさん置かれていて、
男ならばみな目を輝かせるようなモノばかりだ。
そこでは簡単にフライヤー号アポロ11号探査船
それから日本の誇る戦闘機、ゼロ戦などを簡単に案内してもらい、
タイムアップ、現地解散

時刻は13:00、まずは腹ごしらえでもしようかと、
タカシマくんと2人で航空宇宙博物館内にあるフードコートへ。
マクドナルドを始めいくつかのショップが入っており、
壁面、天井ともにすべて透明ガラスとなっているとても明るいフードコートだ。
ボクはホットドッグツナサラダフルーツサラダを買い求めて食べるが、
またも例によってご多分に漏れずのアメリカ食い倒れ文化体験
ツナサラダのツナっていうのは普通チョコンと上に乗ってるもんでしょうが。
ツナサラダの盛り付けられた皿を手に持った時の、
そのズッシリと掌の上に乗る質量の重厚なことこの上ない。
普通に日本で買うツナ缶2缶分は優に盛られてあった。
しかもギューっと絞りに絞ってカチカチ、ものすごい密度のツナだ。
あんだけ毎日食ってりゃそりゃデブだらけになるわな、世の中。
今回アメリカに行ってみて、街中でジョギングしてる人たちがとても多いな、
という印象を持ったが、あの食生活をキープしたまま
体重を極力増やさないようにしようとする次善の策なんだろう、恐らく。
っちゅうか完全に本末転倒なんだけど。
食糧危機が訪れたら真っ先に発狂だな、アメリカ人は。

昼食を終え、今一度ゆっくりと航空宇宙博物館を一通り観て回る。
そしてショップにも寄り、土産物などを買い求める。
タカシマくんともども強烈に惹かれたのが、
デデーンと“SPACE FOOD”と書かれたパッケージ、そう宇宙食
アイスクリーム(!)やストロベリーなどといったラインナップがある。
限りなく“クサイ”代物なのだが、好奇心には逆らうことができず、
2人揃ってオトクな詰め合わせセットを大量に買い込んでしまう。
もちろん宇宙で実際に食されているものではなくて、シャレのお菓子なのだろう。

航空宇宙博物館を出たボクたちは、
先程訪れた自然歴史博物館に再び舞い戻り、ゆっくりと観て回ることにする。
さっきは通過しただけだった恐竜ゾーンに実は非常に後ろ髪引かれていたボク、
じっくりと観察する。
最強の肉食恐竜、T-REXことティラノサウルスを始め、トリケラトプス
ステゴサウルスディメトロドンなどの全身骨格化石が
ズラリと並べられていた。
プテラノドンもベターンと壁に張り付けられていたな。
古代の亀、アーケロンなどなど、水棲恐竜のコレクションも豊富で満足。

これはアロサウルス
アロサウルスの全身骨格標本


恐竜エリアのほかは、昆虫ゾーン現存する動物や魚類のゾーン
類人猿のゾーンなどをつぶさに観て回る。
特に印象的だったものは、体長3メートルほどのイカの標本と、
大量飼育されていたマダガスカルゴキブリ
北海道からやってきた男、タカシマくんはゴキブリを見たことがないと言っていた。
それが関係あるのかないのか、
彼は黒く蠢くマダガスカルゴキブリの群れを見ても
「オレ大丈夫っすよ〜、全然平気で触れまっす」と平然と語っていた。
ブルッ。

一通り見学し終わった後、地階にあるショップに赴きここでも土産物類を購入する。
しかしでかい博物館だ。
歩き疲れたよ。

ホテルまでは地下鉄、
メトロ Metro を使えばあっという間に帰ることができるのだが、
スミソニアン博物館からホテルまでは1キロほどしか離れていないので、
せっかくだし徒歩でブラブラと帰ることにする。
帰り道の途上、FBIの本部があるではないかこれは、
と事前に発見していたボクは、巧みにタカシマくんを誘導して、
というかFBIに行ってみようよねえ、とストレートに伝えて、
無事建物前で記念撮影を果たす。

後ろに見えるのがFBI本部
後ろの薄茶色の建物がFBI本部

FBI本部はほんのわずかに薄茶色がかったコンクリート造りの、
非常に殺風景かつ、高さはないが広大な敷地に建つ巨大なビルディングであった。
また、FBIの近くにはエイブラハム・リンカーンが息を引き取ったという民家もあり、
その前を通った時、通りすがった黒人のおっちゃんが
「ココの道路越しにリンカーンはバーンと撃たれて
その家に運び込まれて死んだんだ!」
と大きなジェスチャー付きで教えてくれた。

その後、これも地図に目を通してチェックしていた、
ESPNゾーン ESPN Zone に立ち寄る。
ESPNというのは、全米を網羅するメジャーなスポーツ専門チャンネルなのだが、
ESPNゾーンはそのESPNが経営するスポーツ・レストラン・バーである。
最近日本にも増えてきたが、スポーツ中継を巨大スクリーンで視聴しながら
食ったり飲んだりできるという類の店だ。
まだ夕方、時間が早いので試合はやっていなかったが、地下の方に降りて行くと、
よくゲームセンターに置いてあるようなスポーツゲームがたくさんあり、
ここでも心奪われてしまい、早速やってみることにする。
ゲーム機に入れるプリペイド・カードを買い求め、
もちろんやるのはバスケのゲーム
ヨーイドンでゴールにドンドンシュートを撃ち、
時間内にたくさん入れれば入れるほどいい、というタイプのゲームである。
このゲーム、横にズラリと同じものが6台ほど並べられており、
しかもそれらが全部オンラインでつながっていて、
みんなで対戦できるようになっている。
折りしもそこには中学生ぐらいの黒人キッズたちの先客がおり、
ボクもそこに混じっていざ対決!
結果は見事1位
NBA予備軍? に勝ったぞとささやかな自慢だ、ここは。
何回かバスケゲームをして楽しい気分になってホテルに無事帰還
部屋で少し体を休める。

ウィニング・ポーズ…
NBA予備軍を叩きのめしてやった(?)マシン前で


19:00、再びタカシマくんとホテルのロビーに集合し、夕食に出発
おっと書いていなかったがこのツアーには食事はまったく付いていないので、
すべて自己調達なのである。
目指すべき場所だが、実はこの日の午前中、バスで市内を走っている時に、
マイケル・ジョーダンが経営するレストラン
JORDAN'S Restaurant,Bar”を発見していたのである。
立地もホテルから徒歩圏内、15分くらいかな。
満場(2人)一致でそこに向かう。
Federal Triangle というメトロの駅の出入り口に当たる、
小ぢんまりとしたビジネスパークの一角にジョーダンズ・レストラン・バーはあった。
D.C.にあるビル群のマジョリティに違わず
石造りとなっているその建物の外壁には、
jordan's”と書かれた大きな幕が縦に掛けられている。
おぉー、と感嘆のため息を漏らしながら
我々2人はジョーダンズ・レストラン・バーへと近付いていったが、
何か様子がおかしい。
ん? 休みだぞ。
なるほど、看板には確かに日曜日の営業時間は書いていない。
間違いなく休みのようだ。
しかし観光地にも等しい存在意義を持つであろう、
マイケル・ジョーダンが経営するレストランというものが
日曜に休業とはこれいかに。
オフィス街の定食屋かね。
関係ないが、ジョーダンズ・レストラン・バーのある敷地内には
何匹かのリスがウロウロしていた。
リヴェンジを心に誓ってこの場所を後にする。

本日休業 ひっそりと静まり返るジョーダンズ・レストラン
定休日のジョーダンズ・レストラン・バー


さてどこで何を食おうかとしばらく彷徨った挙句、
夕方に一度訪れていたESPNゾーンに行くことにする。
基本的に似通った趣味嗜好、
スポーツバカ2人で行動しているので意見統一がなされるのも割りと早い。

時刻はすでに20:00を回っているが、ここワシントンD.C.はとても陽が長く、
やっと薄暗くなってきた程度。
いや、朝は7:00頃でもまだ夜が明けきっていないので、陽が長いというよりも、
時刻設定が日本の標準的なものとはズレてるっていうことだね。
緯度は仙台と同じくらいということなので、日照時間もさほど変わらないだろう。

ESPNゾーン店内の様子
モニターがズラリと並んだESPNゾーンの店内

ESPNゾーンは地上1階、地下は2階まであるスポーツ・レストラン・バー
1F席はもうすべて埋まっているか予約済らしく、B1Fの席に案内される。
ありましたありました、デカいモニターが。
店の一番奥の2層ぶち抜きの壁には、
B1F、B2Fのどの席からでもゲームが視聴できる、
150インチから200インチ前後はありそうな巨大メインモニターが1つ設置してあり、
その左右には小さな、といっても30インチほどかな、
モニターがズラズラと埋め込まれている。
そしてそのそれぞれには、
全米各地でライヴで放映されている様々なプロスポーツの試合が
映し出されているのだ。
ボクが行った時期はNBAMLB
そしてNHL(アイスホッケー)のシーズン中だったので、
それらの中継が放送されていた。
その他にも壁には各ゲームの途中経過などの情報をリアルタイムで伝える
電光掲示板も多数散りばめられており、
また音声については、レストラン内のPAからは
メインモニターで放映しているゲームの実況が流れているものの、
各テーブルでは備え付けのセレクター付きのスピーカーで、
聴きたい試合の音声を選択できる。
さらに、トイレの男子小便用便器の上にも
何と小さなモニターが取り付けられており、
オシッコをしながら試合を観ることもできるのだ。
本当にスポーツ好きにはたまらない、楽しげな空間なのである、ここは。

スポットとしてまさに最高のESPNゾーンだが、
こと料理に関してはやっぱりイッツ・アメリカを痛感することになる。
というかここがアメリカ食い倒れ紀行的にはクライマックス
不味くはない。
決して味は不味くはないんだけど、
ボクが頼んだプライム・リブステーキという代物は、
マジで誇張まったくなしで500グラムはあっただろう、うむ。
普通に日本のレストランで注文したら出てくるステーキの2倍以上は絶対にあった。
それだけではなく、
付け合わせとして一緒に盛られていたマッシュポテトがまた常識を知らない。
「パンパンパンでグラタン〜♪」の1.5倍ぐらいの食べでがあるのではないかという、
白い巨大な塊となっていた。
そして不味くはないが、料理全体がやっぱり脂っこい。
カレーハウスCoCo壱番屋に行けば600グラムのライスで食い、
博多の中州では屋台のラーメンを4軒はしごし、
京都・北山のラーメン店「日本一」ではど根性ラーメンを食すボクも、
このステーキとポテトは半分しか食えなかった
もちろん大盛りとも何も言ってないよ。
タカシマくんテリヤキチキンなるものを食べていたが、
無論そちらも似たようなもん。

適当にボソボソと食らいながら、
試合はNBAセヴンティシクサーズvsホーネッツを中心に大いに楽しむ。
何度も言うが、雰囲気は最高である。

夜のD.C.中心部
夜のワシントンD.C.中心部
右端に見える派手なネオンの看板がESPNゾーン

22:00頃、店を出て夜の街を歩き、ホテルに戻る。
相変わらず、街には救急車、パトカーのサイレンの音が絶えない。
歩き疲れたので、この日もシャワーはスッ飛ばして早々に眠りに就く。



次の日
前の日





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