海洋空間車



MGFからアルファスポーツ156ワゴンへ〜乗り換えの道程


その6「並行輸入だ! ショップ選び」   2004.4.10


さあ、どうするか。
ボクが欲しい車はここにきて、ハッキリと目に見える形となって浮かび上がってきた。
それは156スポーツワゴン、マニュアルで左ハンドルの本国仕様。
エンジンについてはそれほど大きなものはいらないし、
FFということで重量配分も含めた全体のバランスを考えて、
またその価格差も考慮に入れて、2.0JTSという結論。
ひょっとすると乗ってみたら、パワーがもうちょっと欲しかったかな…、
と思う可能性なきにしもあらずだが、MRに長く乗っていたせいか、
どうも鼻先が重くなることには感覚的な抵抗がある。

要するに、“並行輸入車”という新たな選択肢が浮上してくることとなったのである。

それまでも輸入車に乗っているとはいえ、
並行となるとさすがに色々と考えてしまう。
まあMGにしても以前正規ディーラーが潰れてしまい、
ボクが買ったディーラーもそのあおりを喰って今は扱っていなかったりと、
ケアの不安に関しては並行みたい(以上?)なもんなんだけど!
ところが色々な人に話を聞いたり、Webで調べていったりと勉強していくうちに、
信頼できるショップの選択さえ誤らなければ、並行輸入車といえども
決して必要以上に構えるべきものではない、ということが分かってきた。
正規代理店が頻繁に変わる不安定な自動車メーカーの場合など、
ケースによっては、正規ディーラーよりも長年その車を扱い続けているショップの方が
よっぽどノウハウに長け、信頼に足ることも少なくないらしい。
その経営状況が好調とはいえないアルファ・ロメオ、
ひいては親会社のフィアット・グループにとって、
ここ日本は近年売り上げが伸びているとはいえ、
決してビッグ・マーケットではない。
だから極端な話、来年日本からアルファの正規代理店がなくなった!
という事態が起こったとしても、それはあり得ない話ではないのである。

様々な情報を受け、2003年12月、まずは神戸市内のとあるショップに行ってみた。
ボクの新居予定地は兵庫県内なので、近いに越したことはないだろうということで。
店構え自体はとてもきれいで、
展示されていた中古のアルファたちもヴァリエーション豊か、担当者の感じも悪くなく、
おまけに偶然ボクの会社の後輩が以前その店でマセラティを買った顧客だった
(しかもあろうことかこの日にショップで鉢合わせた!)
などなど、決して印象は悪くなかった。

しかし、事前の電話では新車の輸入もできます、ということだったが、
よくよく話を聞いてみると、新車の並行輸入はまだしたことはないという。
それでもぜひやらせてください、という気持ちは嬉しいし、
担当者のアルファ愛もよく伝わってはきたのだが、
やはり経験がないとなると任せるには不安があることは否めない。
当然のことながら本国仕様のカタログなども置いてなかったし。
それに工場を所有していないということも、気になるところではあった。
まあ急ぐものではないし、もう少し店を探してみよう。

年が明けて2004年1月、
今度は複数の人から薦めていただいた京都のとある有名ショップに行ってみる。
ここはボク自身、ショップのWebサイトもちょくちょく覗いており、
アルファ・ロメオの並行輸入の実績についても申し分ない。
行く前から、恐らく信頼性に関しては問題ないだろうな、と思っていたが、
果たしてやっぱり大方その通りの印象だった。
失礼を承知で正直に書いちゃうと、ハッキリ言ってきれいなお店ではない。
新しくはないし、ゴチャゴチャと散らかっているし、
ロケーションもちょっと奥まっていて分かりにくい(私見に過ぎるか?)。
にもかかわらず居心地の非常に良いショップで、
ボクたちが訪れた時も何をするでもない常連さんらしき人たちが黙々と、
それでいてごく自然な様子で雑誌を読みふけっていたりしていた。
営業の人も愛想が良く、ざっくばらんに何でも相談できそうな感じだ。
それに社長からは、もう残り1部しかないという、
現行スポーツワゴンの本国カタログまでいただくご厚意を受けた。

とまあ、行く前も、そして実際に足を運んだ後も
何ら問題の感じられないこの京都のショップであるが、
ボクがずっと懸念していたのはその物理的な距離の遠さだけ。
今度住む予定の兵庫県の自宅からは、
道が空いていても高速道路を使っておおよそ1時間、
世知辛い話が、料金も片道1650円かかる。
比較的忙しくて時間を取りにくい仕事柄ということもあって、
定期的なメンテナンスのことを考えると、ちょっとためらわれるレヴェルではある。
車はここで購入して主治医は近くで探す、
という道もないことはないが、色々な状況を鑑みると、
買った店に一切のメンテ、ケアを託す方がベターであることは間違いない。
どちらにせよ、
限りなく第一候補に近いショップに巡り合うことができたとは言える。
さて、これからどうなりますか。

その翌週の1月某日、恐らく並行輸入車の販売なら
日本最大手ではないかと思われる業者の兵庫県内にある支店に、
どんなもんじゃろかいと話をしに行ってみた。
結論からいうと総体的な信頼感としては京都のショップには及ばなかった。
展示してあったTVRには、実車をじっくり見るのは初めてだったので、
妻ともども興奮してしまったけど!

TVRサーブラウ
本題とはあまり関係ありませんが
これがTVRサーブラウ カッコイイ

車高の低さ、サイドシルのゴッツさ、そして名称が分かんないけど
運転席と助手席の間のドライヴシャフトが通っている
あのスペースの存在感などなどが強く印象に残っている。
やっぱりスーパーカーチックなスポーツカーを見ると本能的に覚醒してしまうなあ…。




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