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MGFからアルファスポーツ156ワゴンへ〜乗り換えの道程
その3「マツダとプジョーにも行ってみる」 2004.3.24
その翌週に当たる2003年10月某日、今度はマツダのディーラーに赴いた。
ターゲットはアテンザのスポーツワゴンだ。
アテンザは下位車のアクセラとともに
マツダの欧州戦略の中心とされている車でもあり、
実際にヨーロッパでの評価もかなり高いようだ。
マニュアルの試乗車はその数が非常に限られているということなので、
事前に連絡をして用意してもらっていた。
ディーラーに着くと、コーヒーもそこそこに早速乗って出掛けましょうということに。
ガレージにはRX-8の試乗車も停まっていて、
ついつい興味本位であの穴蔵的後部座席に潜り込んでみたりしてしまった。
アテンザの運転席に座ってみると、その外から眺めて見るイメージとは裏腹に、
着座位置が高いことにやや驚いた。
ただ単にシートポジションの問題のみならず、
車体全体の腰高感というものが強く感じられた。
そしてハンドル径が予想以上に大きい。
マニュアル・シフトをしながら運転していても、
とてもスポーティー・カーを操っているという感覚はない。
スポイラーやサイドスカートも装備し、
パッと見はとてもスポーティーな印象を受けるのだが、
いざ乗ってみるとその感覚はとても“乗用車的”。
やっぱり実用セダンがベースの車なんだと、改めて感じた次第だ。
アルファの後だから余計そう思ったのかも知れないけれど、
ドライヴィング・プレジャーについてはボクはあまり感じることがなかった。
![アテンザ スポーツワゴン](atenzawagon.jpg)
アテンザ スポーツワゴン(この写真は欧州仕様かな?) |
しかし車の出来としてはもちろん悪くない。
エンジンの印象こそ特筆すべきことはなく、
2.3Lとしてはまあ普通かな、と感じた程度だが、
居住空間の快適さは充分だし、インテリアにも不満はないし、
何よりその収納能力の高さには舌を巻いた。
“カラクリシート”と銘打たれたリアシートのワンタッチ可倒システムに感動させられ、
室内の小物入れなどなどの使い勝手もかなり良さそうだ。
スタイルに関しては、雑誌やカタログで見るよりも、
実車を目にした時の方がボクは少しガッカリしたかな。
没個性的なデザインが多い日本車の中にあっては、
そのカラー・ヴァリエーションも含めて頑張ってはいると思うんだけど、
やっぱりそのフロント・マスクが
MPVやデミオとどうしても被ってしまうのがいただけない。
あえて統一性を持たせているのだから当然ではあるんだけど…。
ボディ全体のスタイリングもなんだかボテっとしているというか、
多分車高が元々高い乗用車的なボディに、スタイリッシュに見せるための
サイドスカートなどのスポイラー類を付けてしまっているからだと思うが、
無駄にガタイがでかいような気がして、
ボクにはイマイチ、ピンとはこなかった。
ただアテンザが感じさせてくれた何よりのメリットは、価格の安さ。
元々の車両本体価格の安さもさることながら、恐らくかなりの値引き、
もしくはそれに準じたサーヴィスを引き出せる感触がありありと感じられた。
担当の営業マンもそれを一番のウリにしているような節もあったし。
2003年11月某日、次に訪れたのはプジョー、ブルーライオンだ。
検討対象は206、307シリーズ。
ただこちらは近日中にどうしてもMT車が用意できない、ということで、
展示車両の見学およびAT車の試乗と相成った。
ボクは実際に車を目にするまで、
206と307のサイズの違いをそれほど意識することはなかったのだが、
見てみて初めて、その大きさにかなりの差があることを知った。
見た感じのボディサイズ、そして室内空間ともに、
307の方が大分大きいし、広かった。
206の後部座席に座ってみると、
正直大人が数時間座っていることはかなり厳しそうだな、と感じた。
307の方はその点、まったく問題はない。
307Xs、307Styleと続けて試乗させていただいたが、
一通り運転した後ディーラーの人に運転を代わってもらって後席に座った時、
思わず「広っ!」と声が出た。
シートの座り心地も、決してスポーティーではないが、
フランス車特有のソファ感覚というのだろうか、かなり気持ちが良い。
その居住性は文句なしだ。
![プジョー307](peugeot307.jpg)
プジョーの主力機である307 |
運転したのはAT、しかも4速だったので、細かいところは述べられないが、
一般に“猫足”と称されるそのしなやかなサスペンションはよく分かった。
低速コーナーでも路面に合わせてソフトにロールするその感覚に、
147同様いかにもヨーロッパの車らしいなあ、と思ったが、
元々やや硬めの足回りが好きなボクにとっては、
やっぱり少しロールが大きすぎるかな、と感じられた。
一般的に道路の舗装状況がヨーロッパよりも良い日本の街中においては、
欧州仕様オリジナルのサスペンションは少しやわらかいんじゃないかとボクは思う。
パリの街みたいに石畳の道路だったら別なんだろうけど。
ドライヴィング・ポジションはマツダ・アテンザ同様に乗用車的で、アイ・ポイントも高いが、
この車は本来そういった意義のもとに作られているので、そこにストレスはなく、
むしろその視界の良さ、運転しやすさに好感を覚える。
大きなサイド・ウインドウも明るい感じがして、とても爽快だ。
ちなみに妻はこの時点では営業マンの印象など諸々含めて、
このプジョーが総合的に一番気に入っているようだった。
さて、3つのディーラーを訪問して、ボクがこの段階において気になっていたのは、
アルファ>プジョー>マツダの順。
確かに使い勝手や居住空間など、
利便性についていえば、アルファはこの中で最下位かも知れない。
これはもう、最初の方に述べたように
車に何を求めるかによって違ってくると思うんだけど、
今のボクとしてはやっぱり、ラクチンで広々の便利な車よりも、
運転して楽しい車を選びたい、という気持ちが強いのである。
そうなると、少なくとも大人4人が普通に乗れる、
という必要最低条件を満たしている以上、アルファが最上位にきてしまうのだ。
というわけで、多少の葛藤は心の内にはあったものの、
最終的にはアルファ・ロメオ、さああとは車種を何にしよう、
というステップへと進むわけである。
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