海洋空間車



My アルファ156スポーツワゴン

ファースト・インプレッション     2005.6.9 公開
 ※あくまでFT到達光士個人の主観であり私見であります。


ハンドリング
直進安定性については、決して高くはない。
まあこれについては気持ちの良いシャープなハンドリングと
表裏一体の意味合いがあるので仕方ないと言えばないのだけど。
高速道路を走っている時などは、
下手すると国産コンパクトカーよりも真っ直ぐ走るのに
神経を使うかも知れない。
このあたりのことを突き詰めて考えていくと、やっぱりアルファの、
特にワインディングなんかをリズミカルに走っている時は果てしなく爽快なハンドリングは
決して絶対的な車両のハイ・パフォーマンスによってもたらされているものではなくて、
あくまでも“演出”によるものなのだ、ということが体で感得できる。
さらにどちらかというと好ましくない点ばかりあげつらって誠に心苦しいのだが、
車体の剛性は低い。
お金があったらバーなど入れたいな、とも思われる今日この頃…。


乗り心地
今のところもっとも不満な点はここ。
購入時にサス・スプリングを
アイバッハ製のローダウンに換装してしまったこともいくらか影響しているのかも知れないが、
コツコツドタバタ感がいつまで経っても若干気になる。
意外や前に乗っていたMGFのハイドラガス・サスペンションが極めてしなやか、
ちょっとオーヴァースピード気味にコーナーに突っ込んでも
路面に吸い付くかのような抜群の乗り心地を醸し出していたので
どうしても比較してしまうのだが、圧倒的に跳ねるし、収まりが悪いし、硬くてフワフワする。
これまたお金があったらサスペンションもまるごと換えたいな、とも思われる今日この頃…。
でもこの車に乗っていたら運転は確実に丁寧になるような気がする…、のでよしとするか?


左ハンドル
僕にとってはこの車が初めて所有した左ハンドル車だけど、
これに関しては当初抱いていたいくらかの危惧は結果的にまったくの杞憂に終わった。
巷でよく言われるような“右折時の対向車の見難さ”についても、
まったく影響がないかと言えばそうではないが、慣れによって充分に対処できるレヴェル。
ディーラー車を試乗している時などは
「あ、右に寄り過ぎてるな」と自分でも分かって少しヒヤヒヤしたこともあったが、
1時間も乗ればそれもすぐに慣れて修正対応できるようになる。
一番困るのは道路左側に一時的に路上駐車する際、歩道との境界の状況によっては
あまり左側ギリギリに寄せて停めることができないことぐらい、かな。


スタイリング
まったく文句なし。
もともとスタイルを気に入って買ったようなものだし。
後ろから見たら、とか、顔はカッコいいのに、とか、
視点を限定すればカッコいい車というのはたくさんあると思うが、
どの方向から見てもカッコいい、と僕には感じられる貴重な美車。
また、車に限らず造形物のラインや肉感というのは、
白や淡い色よりも濃い色のほうがより強く表れるから、
Blu Taorminaという濃色を選んだこともよかったな、と個人的には思っている。
特記事項の中にも書いたように、何とも言えずとにかくコケティッシュなサイドプレス・ラインに、
サイドスカートが付けられていないシンプルなボトム・ラインがベスト・マッチ。
僕は元々大径ホイールにもあまり魅かれていなかったので、
純正16インチのスポーク・タイプのホイールもデザインともども気に入っている。
インテリアも特に不満なし。


エンジン
4気筒モデルに関してはエンジンがTSからJTSになって、
音についてはどちらかというと否定的な見解の方が割合としては多いようだが、
JTSでも3000回転を超えるあたりから充分に魅惑的な咆哮を聞かせてくれる、
と僕は思っている。
もちろんTSもV6もそれほど乗った経験があるわけではないので、
あくまでも相対的ではなく絶対的な主観だが。
でも少なくともイタリア車以外で
ここまでアトラクティヴなエキゾースト・ノートを奏でる量産車はあまりないと思う。
決して耳に生理的不快感をもたらすマシン・ノイズではなく、
叫んでいる、あるいは歌っている、という表現があてはまるような甲高い唸り声。
パワー、トルクに関してもスペック通り、通常の乗用に際して非力を感じることもないし、
MT(マニュアル・トランスミッション)ということもあって何も問題ない。


シフト・フィール
ノブもストロークもどちらかというと長めなので決してスポーティとは言えないけれど、
別に不満はない。
ちなみに、あくまでMTについてだけれど、
慣れてしまえば右手でシフトする左ハンドル車の方がよりナチュラルである、
と実感している次第。
つまり、発進する時に最初に選択する1速、そして2速といった低いギア・ゲージが左側、
すなわち自分の体に近い側にある方が、
人間工学的にもより自然な配置なのだろうと感じた。
そもそもの自動車のシフト配置が左ハンドルを想定して刻まれたものなのだ、
というおそらくはその筋の方々にとっては常識とも言える当たり前の歴史的前提が、
自分で運転してみて初めて理解できた。


その他
インテリアやエクステリアについて不満はないんだけど、
ドアを開け閉めする時には何だかちょっと安っぽさを感じてしまう。
重厚感は希薄で、これについてはドイツ車とは比べるべくもない。

また、あくまでも前所有車のMGFとの比較ではあるけれど、
ギア比はやや高め、でもほどよくクロスしているように感じられる。

クラッチはやや深いところでつながるな、という印象。
もちろんまだ新しいからまったく滑らないし快適。

ブレーキはとてもよく効く。
以前、右ハンドル車を試乗した時はブレーキがちょっと危ういな、と感じたんだけど、
さすがオリジナルと言うべきか、これは大いに信頼に足る。





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