第3日
2004年7月24日(土) 2004.8.30 公開
この日はチェックアウト、ホテルを移動するので5:45と早めの起床。
7:00にロビー集合、出発。
道中、街道沿いのファミリーマートに寄って皆の分の朝食を買い込む。
普通に日本のコンビニでも売っているようなおにぎりを食べるが、
何と海苔が韓国海苔。
具もハングルだから読めないけど、
数種類確認したがすべて何か赤い辛い物体だ。
こんなとこにもお国柄が。
そして同じくファミマで買ったパック入りのカフェオレの味も何だか少し違う。
薬っぽいというのか何というか。
ホテルを出発しておよそ2時間後、
我々の乗ったバスは南怡島(ナミソム)という島へ渡る船着場に到着。
南怡島(ナミソム)へ渡る船はここから出ている |
ここで血の巡りが良い、そして流行に敏感な読者はピンときたかも知れないが、
このナミソムはドラマ「冬のソナタ」のロケ地として有名な島で、
今日本からここを訪れるツアーはそれこそ数知れず、
大衆娯楽である我々テレビも甘んじてツアーに乗っかり、
番組内で紹介しようという腹づもりなのである。
ちなみに島の名になっている南怡(ナミ)とは、
韓国の著名な将軍の名前だそうだ。
船の発着場にはこれでもかと日本語の看板や
「冬ソナ」絡みのお土産物が立ち並び、
まだ朝の9時だというのに、船を待つお客さんで溢れかえらんばかり。
「冬のソナタ」は本国・韓国では3〜4年ほど前のドラマであり、
今ワーキャー騒いでいたり「ヨン様〜」などと黄色い声を上げているのは
もっぱら日本人に限る、と思われているようだが、
実はまったくその通りというわけではなく、
もちろん割合的に日本人ツーリストが多いのは事実だが、
少なからず地元・韓国のおばちゃんたちも
団体でこのようなロケ地巡りツアーに参加していたし、
ペ・ヨンジュンは韓国内でも相応の人気俳優であった、
ということを言っておきたい。
さて、ナミソムへは連絡船でおよそ7分、あっという間に上陸を果たす。
我々に付いてくれている現地ガイドのアンさんは大の「冬ソナ」好きで、
ここを訪れるのは3回目ほどだそうだが、
傍目にも感動しているのが表情から見てとれる。
ただここまで書いていて何だが
ボク自身はまったくといっていいほど「冬のソナタ」を視聴したことがなく、
名場面・名シーンはもちろんストーリーの骨子すらおぼつかないぐらいなので、
その感動をひとかけらも共有することはできなくて辛いが、まあ仕方ない。
さらにいうと、岩井志麻子さん、中村うさぎさん、早坂好恵さんといった
3人の出演者たちもあまり「冬ソナ」に関心がない向き、ご苦労様でした。
島内では主役の2人がファースト・キスをしたベンチや
そのそばにある雪だるま(石膏で作ったレプリカ)、
メタセコイアの並木道などを撮影。
放送ではカットされていた、禁断のキスシーン
周囲の日本人観光客から
「やめて!」と悲鳴が聞こえていた |
メタセコイアの並木道はとても美しかった |
ナミソムを出発し、今度は春川(チュンチョン)という都市へ向かう。
ここも「冬のソナタ」縁の地として知られており、
我々がまず向かったのはペ・ヨンジュン演じる主人公が住んでいた、
「チュンサンの家」。
撮影は普通の一般人が住んでいる民家を借りて行っていたようで、
今も「チュンサンの家」には人が住んでいる。
それを住人の厚意で観光客に無料開放しているのである。
何と素晴らしいボランティア魂。
普通に人が住んでいるのに無料開放されている
「チュンサンの家」の玄関前 |
「チュンサンの家」を後にし、今度は春川(チュンチョン)高校の塀へ。
何の変哲もない普通の汚い塀だが、ここでペ・ヨンジュンを踏み台にし、
チェ・ジウが塀を乗り越えて高校内へ侵入する、というシーンがあるそうだ。
ここまでのスケジュールが予定より少し押し、
一同お腹ペッコペコで昼食シーン撮影に入る。
春川(チュンチョン)、と聞いて
このたびも勘のいい方は気付いたかも知れないが、
数年前から日本でも専門店がオープンするなどして知られている
“ダッカルビ”を食うのだ。
ダッカルビとは鶏肉の炒め焼き料理で、見た目は真っ赤、
ピリリとしたスパイシーな味が魅力、とのこと。
お世話になったのはその名も「名物」という名の店、
撮影に若干手間取り時間がかかってしまうが、
何とか無事に終えてスタッフ一同も食す。
今回はボクがあまり辛いものが食えないということで
何だかいろいろと気を遣わせてしまい、
“あんまり辛くない仕様テーブル”というものを特別にあつらえてくれたので、
非常においしくいただくことができた。
感謝。
炒める前のダッカルビ |
そういえば昨晩しこたま呑んで壊れていた
Tディレクターと韓国人技術クルーのキムくん、
完璧な二日酔いのはずだが大丈夫なのだろうか?
やや遅めの昼食後、再び移動のバスに乗り込んで
次は利川(リチョン)というちょっと田舎の都市を目指す。
およそ2時間の道のりということで、
ボクもこの日は寝不足なので道中ちょっと寝ることにする。
リチョンの手前のパーキング・エリアで下車した際、
パンダがピコピコハンマーでバチコンと叩かれて涙を流している
楽しげな絵柄が描かれたラムネ飲料を売っているのを見つけ、
普段は炭酸飲料は飲まないんだが、
そのイラストに惹かれてつい1本買ってしまう。
この絵に惹かれてつい買ってしまった |
中身は何の変哲もない安っぽいラムネだった。
17:30、この日の宿泊先である利川(リチョン)ミランダホテルに到着、
一旦チェックイン。
利川(イチョン)ミランダホテルの正面外観 |
ここにはプールやサウナも備えた健康ランドのような大きなスパが併設されており、
そこもこのたびのロケの主要な目的地であったりする。
リチョンは韓国では有名な米どころだそうで、周りの景色もそれにふさわしく?
のどかな田園地帯、つまりかなりの田舎町といった雰囲気。
日本でいう新潟みたいなところなのかな。
ミランダホテルの部屋から見える景色も
ご覧の通りの田舎風景 |
また、リチョンは焼き物、陶器で知られている街でもあるそうで、
ホテルのロビーにも広々とした陶器の店があった。
少し時間が空いたのでホテル内や周りをちょっとだけウロウロした後、
18:40ロビーに一同集合、夕食シーンのロケ地となる店へバスで向かう。
およそ15分。
店名は不明(忘れたのではないけど、
あまりにも複雑すぎて覚えることも記録することも諦めた)だが、
“韓定食”という韓国伝統の家庭料理を出すお店だ。
この日の夕食、“韓定食”を食べた店 |
席も座敷で非常に落ち着いている。
韓定食、と聞くと割と素朴なものなのかなとイメージされるかも知れないが、
その品数たるやものすごく、
目から飛び込んでくる情報だけでもうごちそうさま、ってカンジだ。
見た目も豪華、品数豊富な“韓定食” |
つる人参という野菜のキムチやハクサイの味噌汁のような辛いスープ、
サンマと大根を炊き合わせたもの、プルコギなどなどなど。
どれもほぼ味付けは辛いが、
それぞれ辛さの程度の違いによる摂取量さえ間違えなければ大丈夫、美味い。
米の名産地ということで、一人前ずつ釜で炊いた白米も非常においしい。
そして驚きはこれだけの品数揃えた料理一式一人前が、
日本円にしてわずか1300円ほどで食べられるということ。
昼に食べたダッカルビも一人前1000円ほど、本場は安い。
食事と撮影を兼ねたタレント組は一足先にホテルへ戻り、
我々スタッフ・チームはすべての撮影後にゆっくり食事。
ホテルへ戻った後、プロダクションのS、T両ディレクターとともにスパへ行く。
利川(イチョン)ミランダホテルに併設されたスパの入り口 |
まさしく日本の健康ランドのような、
それも少しく質を落としたかのような設備にややガックリ。
大浴場好き、温泉好きのボクとしては憤懣やる方なし。
“汗蒸幕(ハンジュンマク)”という韓国独自のサウナもあったんだが、
サウナには興味ないしなあ。
ただ週末ということもあり客は多い。
外国人観光客はほとんどおらず、ほぼ地元の人たちみたい。
泊まり明かすのであろう、カップルも非常に多く、
人目構わずイチャイチャしておるわ。
韓国人カップルは日本人の目から見ると結構イタイ輩が多く、
つまりミッキーマウス・プリントのペアルックを誇らしげに着ていたり、
清く正しいアメリカ人よろしく街中や電車の中で手を握り合ったりキスしたり。
まあその辺は個人の価値観であるから別に文句を言う筋合いはないが。
風呂はやや期待外れだったので、
眠かったけどせっかくだしマッサージを頼むことにする。
その名も“スポーツ・マッサージ”という気合の入った全身ケア・コースで、
マッサージ師も読者の期待を裏切るようで申し訳ないが
うら若き韓国美女であるはずもなく、
無口で色白、それでいてマッチョな体が威圧感十分の短髪体育会系男子。
ちなみに料金は10万ウォン(約1万円)と少々お高い。
サーヴィスはお値段に見合うべく力強く細やかなマッサージが気持ちよく、
また時間もたっぷり1時間半ほどはかけていただろうか。
ただ、時々ものすごく痛いことがあるんだが、なにぶん言葉が通じないので
「ウギャ」とか「ングー」とか奇声を発しつつ耐えるしかないのが辛い。
部屋に戻ったのが2時頃だったか、とにかく眠かったのですぐ寝た。
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