「残月 - みおつくし料理帖」★★★★☆ 高田郁 角川春樹事務所 2013.10.2 記 シリーズ第8弾。 このタイプの作品には、途中の具体的なヤマや最終的な着地点を定めぬまま走り続けていって、結局中身たるストーリーはまるで進展していない、というものも少なからずあり、この"みをつくし"シリーズについてもひょっとしてそうなんじゃないか…？　という懸念が湧くことも正直かつてはあったのだが、「心星ひとつ」の巻末で明かされているように決してそうではなく、遅々とはしながらも着実に前に進んでいるところがいい。 さすがにここまでくると読んでいる方も飽きるかな…、と思いながらも、まあ久々ということもあってか、そんなこともなく、さすがだ。