海洋空間佳本


夢を売る男 夢を売る男」★★★★☆
百田尚樹
太田出版

2013.12.29 記
まるで業界暴露本のような様相のエンターテインメント小説。
若干、鯨統一郎氏の「邪馬台国はどこですか?」を彷彿とさせるダイアローグ形式をとりながら、主人公の口を借りて著者、百田尚樹氏の考察が思う存分綴られている。
"売れる"ということが何よりも優先されるテレビの世界で生きてきた著者らしい割り切った、それでいて筋の通った業界分析が、これまた百田氏らしい歯に衣着せぬ物言いでこれでもかと述べられている。
まさに小説という形をとったエッセイだな、これは。
旧態依然とした文学界、そして文壇に巣食う過去の大物たちに対する著者の憤りというものが実にストレートに伝わってくる。





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