一体どこまでが真面目な考察で、どこからがネタなのか?
恐らくこの本を読んだ誰もがそう訝しむだろうが、それと同時にいつの間にやら独特の世界に浸かり切ってしまうこと必至。
トピックの選定からそれぞれの取材・研究量など、実に感嘆すべき一冊だと素直に思う。
この本を楽しむ時に、細かいアラ探しなどというマネは極めて無粋。
一つだけ思うところがあるとするならば、章の並べ方、であろうか。
私見に過ぎないが、本書の後半に収められている章になればなるほど、小さな矛盾が目立ったり、有無を言わせぬ説得力が希薄になっているように感じた。 宣伝文句の言うところの“コペルニクス的転回”は、前半の内容によりダイナミックに表れている。 |