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「ようこそ、わが家へ 」★★★★☆
池井戸潤
小学館
2013.7.25 記 |
最後はオーソドックスなハッピーエンドで終わるが、それに至るまでの展開が人間の悪意に満ちていて、読んでいて気分が悪くなるほど。
パターンは違うが、つい、新堂冬樹氏の「鬼子」や、奥田英朗氏の「最悪 」なんかに対して抱いた感情を思い起こしてしまった。
もちろんそれは作品の質が低いという意味ではなく、まったく反対に、それほど高い技術を以て主人公の"公"と"私"に起こるトラブルをリアリティたっぷりに描き出している、という証左である。
"公"の方、終盤で架空取引を巡るカラクリを看破するくだりなどは、いかにも池井戸潤氏らしい。 |

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