イカ天当時の写真なども見られて、非常に懐かしい。
あれから30年…自分も年を取るわけだ。
例えば30周年を記念して公開された映画の端々からも伝わるように、一見して和嶋慎治氏の方が人当たりが良く社交的、鈴木研二氏はどちらかというと芸術家肌で孤高というイメージが巷間にはあるかもしれないが、こうして彼らの語る言葉を紐解くと、その印象は実態とはまるで逆だということがよく分かる。
鈴木氏の方がより常識的で、一般社会の枠内で生きていく適応力があり、和嶋氏こそがとことんアーティスティックな天才なのだ、と。
そんな彼ら自身がじっくり解説するアルバム紹介はまさに必読である。
大まかな年代ごとの何となくの流れが見えてくるし、読んでいるうちに全曲聴き直したくなってくる。
「屈折くん」を読んだ時にも感じたが、デビュー以来、変わらず聴き続けているフリークからすると、90年代後半〜00年代あたり、音楽だけではとても喰っていけないような窮状に彼らがあったという事実はまったくピンとこないし、「頽廃芸術展」がそんな劣悪な環境で作られたアルバムだったとは…と改めて驚いた。
デビュー40年、50年がますます楽しみだ。 |