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「日御子」★★★★☆
帚木蓬生
講談社
2012.11.4 記 |
スケールは大きいが読みやすい。
筋の運びは「国銅」、あるいは「水神」をも彷彿とさせるが、年代記になっている分、さらなる広がりを感じさせる。
相変わらず善人ばかりが出てくるご都合主義的なところは否めないが、教訓的な内容と相まって、いわゆる青少年にも自信を持って薦めることができる小説ではあるだろう。
威厳と尊厳を維持した人のやりとりには、素直に感動する。
書き下ろしにも拘わらず終わり方はいささか唐突だった。
まさか尖閣諸島や竹島を巡る今の状況を考慮に入れて書き出したというわけではないだろうが、時勢にも奇妙に合っているな。 |
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