海洋空間ヤップ旅行記



第4日
2010年9月14日(火) 「ヤップ島グルリ観光」
     2010.10.11 公開


鳴きながらウロつくニワトリ
今朝もニワトリが早くから鳴いていた

ちょっとゆっくりめの7:30起床。
いい天気だが、昨夜半にかなり雨が降ったようだ。
8時朝食
今朝は卵が埋め込まれたトーストに、サワーサップという名の見慣れぬフルーツ。
ドリアンにやや近い味わいで、甘くてエネルギーが詰まった、いかにもパワーフルーツといった感じ。

本日の朝食
皿の右上にある白っぽいフルーツがサワーサップ

朝食後、ESAベイヴューホテルという近所のホテルまで歩いて、土産物を探してみたが収穫なし。
ヤップに来てからなんとなく曇りがちな日が続いていたが、今日は暑い。
これぞ南国の日差しだ。

ESAベイヴューホテル
ESAベイヴューホテル ビジネスホテルに近いものらしい

快晴のパスウェイズホテル前
今日は快晴、酷暑 パスウェイズホテルの前にて

9:45、ガイド氏迎えのヴァンに乗り、島内観光へ出発。
午前は主に戦跡巡りに充てることになっているが、その前にまず立ち寄ったのは道端に建つ小さな八百屋風の店。
今朝食べたサワーサップの他、タロイモなどが並んでいた。

八百屋風の店
道端に建つ小さな八百屋

サワーサップ
これがサワーサップ

最初に訪れた観光ポイントは、レベナウ村にある零戦の残骸と砲台

零戦の残骸
零戦の残骸

砲台
零戦の横にあった砲台

墜ちた機とかではなく、元々駐機場だった場所のよう。
周知のように、太平洋上にある島々の多くは第2次大戦時に日本軍が展開し、戦場となった歴史を持っている。

その後、ラメールという隣村に移動、爆撃の跡が地面に残る防空壕跡を見学。

爆撃の痕跡が残る防空壕跡
クレーターのようになった爆撃跡 写真左奥に防空壕の入口が見える

それからそのすぐ近くにあるコンチネンタル航空の旅客機の残骸を見たが、
その時にRufous Fantailという、その名の通り美しく広がった白い尾が印象的な、スズメに似た鳥を目撃。
アトリ科かね?

Rufous Fantail
Rufous Fantail その名の通り美しい尾が特徴

さらに同村内に残る機体をもう1つ案内してもらったが、
その際今度はヤップ固有であるというYap Monarchという黒白ツートンの鳥を見た。

Yap Monarchのオス
Yap Monarchという固有種のオス

体の大部分が白いこの個体は後で調べたところ、オスであることが分かった。
なかなか珍しい鳥のようで、海でマンタには会えなかった代わりにはならぬが、まあ幸運に恵まれたようだ。

旧滑走路
旧滑走路の跡

炎天下、今は使われていない旧滑走路を見てから、島の中心部・コロニアに戻る。
車に乗せてもらって走っている間、何か違和感を感じるなあ、とヤップ到着直後から思っていたのだが、
その理由は、右側通行であるにも拘わらず、右ハンドルの日本車が大半であるということ。
日本で左ハンドル車に乗っている私が言うのもなんだが、ちょっと違和感がある。
まあ、島内に信号は1つとしてない。

ヤップ州の車のナンバープレート
車のナンバープレートにも石貨のイラストが

トレイダーズリッジリゾートという高級ホテルに寄ってもらい、
その中のショップで「A Field Guide to the Birds of Yap Island」という本を購入、
さらに昨日一度訪れたヤップアートスタジオ&ギャラリーにも立ち寄り、
サンゴ製のミニチュア石貨(ややこしいな)を買った。
どうやら私が求めるベストなスーヴェニアはこれに極まるようだ。

トレイダーズリッジリゾート
ヤップ一の高級リゾート、トレイダーズリッジリゾート

ヤップアートスタジオ&ギャラリー
結局ここ、ヤップアートスタジオ&ギャラリーで工芸品を購入

パスウェイズホテルに戻り、Yさん夫妻をピックアップ、
午後はここから合流する彼らと一緒に島内観光の続きを行う。
撃墜された米軍の航空機の残骸が展示されているものを見た後、
サンセットパークという海沿いの公園に移動し、皆で弁当を食べた。
おかずは(おそらくカジキかマグロ)、空心菜タロらしき主食風のもの、それにサトウキビ
美しい景色に囲まれて、ロケーションも抜群で、実に美味い。

ローカルフードの弁当
魚、空心菜、タロ、バナナ、サトウキビなどが入った弁当

サンセットパークで弁当を食べる
サンセットパークの木陰で弁当を食べる

食後、カダイ村へと移動。
ここは見たところヤップの中でも規模が比較的大きな村で、またこうした観光などに対しても門戸を広げている、
オープンな共同体であるようだ。

カダイ村の玄関口
ウェルカムボードまで備え付けられているカダイ村 向こうに見える建物がペバイ

村の集会所であるペバイ、そして“男の家”であるファルーを内外ともに見学した。
少年〜青年期の男が一所に集まっていろいろな伝承を行うという習慣は、
ヤップのみならずいくつかの地域で見受けられる成人儀礼的な伝統だが、なかなか興味深いな。

ペバイの内部
ペバイの内部 床は竹のような材が敷き詰められている

カダイ村のファルー
こちらはカダイ村のファルー

ファルー内部の意匠
ファルー内部の意匠 ウミガメ、イルカ、マンタのイラストが描かれている

建物を見た後、これもヤップの村の特徴の1つであるという石畳の小径を皆で歩く。
周囲の植物さえ見なければまるで日本の神社の参道のようだが、実際にはジャングルに囲まれている。

カダイ村の石畳の小径
周囲の植物さえ見なければ神社の参道のような石畳の小径

そして石畳の道の脇にはタロイモの田が点在している。
この種のタロイモは“Swamp Taro”と呼ばれていたが、まさにこの田はスワンプ、沼地と形容するにふさわしい。
このカダイ村は、集会所の周り等に置かれている石貨の数も多い。

タロイモの田
タロイモが栽培されている田

集会所前に並べられた石貨
集会所の前の道には石貨がズラリと並べられている

村内見学中、樹上に留まるWhite-throated Ground-Dove(ノドシロスズメバト?)のオスを目撃し、
その少し後には、午前中に見たYap Monarchの今度はメスに遭遇。

White-throated Ground-Doveのオス
White-throated Ground-Doveのオス

Yap Monarchのメス
ヤップ固有種であるYap Monarchのメス

オスに比べて体の黒い面積が大きく、白いのは首の周りのみ。
トカゲカエル昆虫類などの生物も多く、私にとっては非常に楽しい散策である。
また、村の中には異様ともいえる巨大なガジュマルも屹立していた。
カダイ村はまさに見どころ満載、観光案内に適した村のようだ。

緑色のトカゲ
そこかしこに見られる緑のトカゲ

小さなカエル
石畳の上に飛び出してきた小さなカエル

巨大ガジュマルの前で
村内にある巨大ガジュマル

島の西側に位置するカダイ村を後にし、反対の東側にあるワニャンビーチへと向かう。
小さくて美しい砂浜だ。

ワニャンビーチ
美しいワニャンビーチへとやってきた

ヤップでは一部の舗装路等を除き、地面はもちろん海に至るまで
そのほとんどが個人の所有ということになっており、このワニャンビーチでも、
事前にガイドが金を払って話を通している地主の土地境界を超えて移動しないように範囲が制限されたのだが、
これもなかなか興味深いしきたりだ。
ビーチに座ってのんびり皆で寛いでいたら、
学校で日本語を勉強しているという15歳の少年が明るく話し掛けてきて、少しの間話をした。
ヤップには常時、日本語を教える日本人講師が赴任しているらしい。

ビーチの木陰で寛ぐ
ビーチの木陰でノンビリうたた寝

ヤシの木登りにチャレンジ
ヤシの木登りに挑戦 実は途中までは足場が刻んであって登りやすくなっている

ワニャンビーチ1時間ほど過ごしてから移動、ワニャン村の中にある大きな石貨に立ち寄る。
話によればヤップで2番目に大きいのだとか。

ワニャン村の巨大石貨
ワニャン村の街道沿いにある巨大な石貨

ワニャン村を後にし、キリストがヤップ伝統の衣装であるふんどし姿をした
罰当たりなイラストが壁に描かれているセントジョセフ教会をチラリと見、
そしてさらに走ってカヌーの保管&造船所を見学してから、マキーという名の村へと移動した。

セントジョセフ教会
セントジョセフ教会

ヤップ伝統のカヌーの保管&造船所
カヌーの造船&保管所 ここでは伝統技術の継承も行われるという

マキー村はヤップの中でも歴史が古い村らしく、今は新興の村々にいろいろな面で押され気味で、
また過疎化のような状態も進行しているようだ。
やはり時空を超えてそのスケールこそ違えど、人間社会における問題や悩み事というものは共通なのだな。
私たちからすればどれも同じようなものに見えるヤップの村々も、
例えば日本でいえば古くからある集落のようなところもあれば、
急速に開発が進んだニュータウンに相当する村などもあるのかもしれない。
このマキー村には石貨が多くあった。

マキー村の石貨たち
マキー村の目抜き通りには石貨がたくさん

これにて島内観光終了、再びコロニアへと戻る。
Yさん夫妻およびガイド氏と別れて、ジュンズオアシスレストラン夕食を摂った。

オアシスレストラン
オアシスレストラン ちなみにヤップアートスタジオ&ギャラリーのすぐ隣にある

シズリングビーフという鉄板の上でジュージュー音を立てるステーキと、
ブレッディッドカラマリというイカリングのフライ。
牛肉はいかにもアメリカ的で硬かったが、野菜が多く載っていてあんかけ風の味付けはなかなか。
イカは結構量が多かった。

シズリングビーフ
シズリングビーフ ものすごい湯気が上がっていた

ブレッディッドカラマリ
ブレッディッドカラマリ イカリングのフライ それぞれにライスとミニサラダ、スープがつく

店を出るとちょうど陽が沈んだところで、チャモロ湾をほんのり照らす夕景が非常に美しい。

チャモロ湾の夕景
チャモロ湾の向こうに陽が沈み、美しい情景を作り出した

19:30ホテルに戻り、一足先にチェックアウト、支払いを済ませる。
翌日は4時の飛行機に乗って帰る予定で、深夜にホテルを出なければいけないので。
部屋に戻りシャワーを浴びて、少しだけベッドで眠るか。




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