海洋空間車



MGFの記憶…

ドライヴィングについて     2004.12.8 公開


MGFはMRレイアウト。
MR=ミッド・エンジン−リア・ドライヴ
つまり車体の中央にエンジンを配置し、駆動輪は後輪というレイアウトのこと。
そのMの部分、ミッド・エンジンについては別項で簡単に触れたが、
Rの部分=リア・ドライヴ(RWD)という駆動方式も、
走りの部分に大きく影響してくる。
世の中のほとんどの乗用車がフロント・エンジンである、
ということも同じく別に述べたが、駆動方式についても、
大半の車は前輪を駆動輪とするフロント・ドライヴ(FWD)を採用している。
すなわち大半の乗用車のレイアウトが
FF=フロント・エンジン−フロント・ドライヴと呼ばれる方式に
占められている
ということだ。
そこにはコスト面やスペース効率の問題などいくつかの要因が絡んでいるのだが、
RWD、あるいは4WDを採用しているのは、
ピュア・スポーツカーやプレミアム・セダン、悪路を走るためのSUV、
またはBMWのように頑なな企業信念に従っている一部メーカー車などに限られる。
他にもいろいろな要素が関係してくるので一概に断言することはできないが、
一般的に、RWDの方がFWDよりもハンドリングが素直、ニュートラルになる。
駆動輪が操舵輪を兼ねるFFの場合、より前輪に負担が掛かってしまい、
アンダーステアが出る傾向が強くなると言える。
タイヤのグリップは駆動輪の方がより失われやすいからだ。
それと多少は関係があると言えるのかも知れないが、
エンジン・パワーが大きくなればなるほど、
FFの方が後輪駆動車よりも挙動がピーキーになり、
上手く安全に操作することは困難になる。
マッチョ・カーにはやっぱり、
AWD=All Wheel Drive
が最も適しているということが言えよう。
余談だが、走り屋などと呼ばれる人たちがよくやっているようないわゆるドリフトも、
後輪駆動車の方が遥かに引き起こしやすい。




シンプルかつスパルタンな室内?
120psと、現代の水準から言えばちょっと力不足にも感じられるエンジン・パワーだが、
車重が1トンちょっとと軽いので必要にして十分。
詳しい状況について言及するのは避けさせていただきますが(…)、
ボクが経験した最高速は190km/hオーヴァー。
エンジン・フィール的にはまだ出そうだったけど、さすがにオープン・ボディ、
剛性が高いとは言えないシャーシがガタピシと軋む音が怖くなって、
というよりも実のところは国家権力が怖くなったのでやめた…!
また、MTであることも渋滞で若干ウンザリすることを除けば It's just a fun !


右側面から
エクステリアの項でも少し触れたけど、
MGFのサスペンションはスプリングとオイルを用いた普通のダンパーではなく、
専用のガスをシリンダーに注入し、その減退力を利用したハイドラガス・サスペンション。
前後車軸の重量配分が理想的、ということも関係していたのだろうが、
このハイドラガス・サスの乗り心地は
パッと見た車全体から受け取るスポーツカー然としたイメージよりも遥かに良し。
さすがに低速時は多少のコツコツ感は否めないが、
一定以上のペースに乗ってしまうと無駄なロールはないし、
中高速の連続コーナーでの揺り戻しもほとんど感じられず、
まさに地を這っているような感覚が味わえる。
足に関してはとても気に入っていた。


地下駐車場で見たリアヴュー
当然と言えば当然のことであるが、直進安定性は高くない。
はっきり言って高速道路を使う長距離の移動は結構疲れる。
反面、ワインディングなどにおけるハンドリング、コーナリングは実に楽しい。
MRながらもカリカリのレーシング・チューンとはかけ離れているので、
我々のような素人にも扱いやすいステアリング・フィールでありながらも、
かといって大半の乗用車群よりは遥かにアンダーステアの小さい
ナチュラルでジャストな操舵感がとても心地良い。
それにそういった峠道でも、先述のようにハイドラガス・サスのお陰かスタビライザーが強力なのか、
横ロールの極めて少ないコーナリングが素晴らしく爽快。


コンパクトなボディ
全長わずか4m足らず、幅も5(7)ナンバーサイズに収まり、小回りの利くRWD。
その小さな外寸はゴミゴミした日本の都会の真ん中を走るのにとてつもなく便利。
車が通行できる道でさえあれば、たいていの場合迷わずガンガン入っていけるし、
たとえそこで立ち往生してしまっても引き返すのにそう苦労はいらない。
駐車場だって何ら選ばない、どこでもスイスイ入れられる。
見栄とかステイタスとか居住性とか(これは大事か)そういった種類の物事を度外視すれば、
小さい車って本当にいいこと尽くめ!





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