海洋空間編集長雑記



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2005年2月分




2005年2月28日(月)
「『アルテ・シンポジオ』で晩ご飯」


昨夜は妻と2人で夙川駅近くにあるイタリアンの名店「アルテ・シンポジオ」で晩ご飯。

昨日オーダーしたのは、“カツオと春野菜のサラダ”、“カワハギとブラックオリーブのタルタル”、
“ウズラとウズラ卵のカルボナーラ仕立てのパッパルデッレ”、“ボローニャ風卵入りラザーニャ”、
“スズキとレモンのロースト”、“フォワグラとウサギのロースト”、“ハトとキノコの窯焼き”など。

言うまでもなくどれもこれも最高なのであるが、特記すべきとしては、
“カツオと春野菜のサラダ”の春野菜たち、
その多くは名も知らぬアスパラ状の緑の茎や、ゼンマイのような巨大な芽であったりするんだが、
無農薬自家栽培であるというそれらの美味さよ、まずは。
菜の花の青臭さなんかが嫌いじゃない人にはもうたまらないはず。
“ウズラとウズラ卵のカルボナーラ仕立てのパッパルデッレ”も、
これは一応パスタのカテゴリーに入るんだけど、
もうメインといっても見劣りしないヴォリュームとクオリティ。
ウズラ卵の半熟なんて初めて食べた気がする。
ちなみに妻はウズラ肉がとてもお気に入り。
その妻が「今日の中で一番美味しかった」と言っていたのが“ボローニャ風卵入りラザーニャ”。
そら美味いわな。
“スズキとレモンのロースト”も、プロに言うのもまったくもって失礼な話ではあるが、
火の通り加減がもう抜群で、固過ぎず柔らか過ぎない身にあえて残されている皮がまた美味い。
また、ローストしたレモンを添えたソースは今シェフがハマってしまって凝っている一品だそうだ。
“フォワグラとウサギのロースト”、ボクの印象に一番強く残ったのがこのウサギ肉。
これまで食べたことのあるどのウサギ肉よりも柔らかく、
少し赤みを残して焼かれたジューシーな味わい。

この日はもうボクたちが最後の客だったようで、終わりの方は、
仲良くさせていただいている荻堂シェフにずっといろんな話を伺いながら。
またもいろいろなジビエを始めとする食材の話や料理法についての話など聞かせてもらい、
特に最近料理に目覚めている妻は例によって体は前のめり、
両眼を見開いて興味津々と聞き入っており、
荻堂シェフがこのお店で開いているイタリア家庭料理の料理教室の話題などに
俄然喰いついていたなあ。
図々しくも厨房内見学なんかもさせてもらってもうご満悦だ。



2005年2月22日(火)
「2005 NBA オールスター・ゲームをTV観戦」


NHKはともかくも、NBAを観たい人がわざわざ金払って契約しているリーグパスですら
“オールスター・サタデー”を放送しないというのは誠に腹立たしく義も操も無視した悪行ではあるが、
それはともかくNBA オールスター・ゲームが行われ、
今しがた録画していたVHSと再放送を駆使して
(こんな単語を使うほどの大仕事ではないが)観戦を終えた。

毎年観ていて思うことだが、やっぱりオープニング・セレモニー、
特に選手が入場してくるところは本当に興奮が高まるし、単純にかっこいい。
ケヴィン・ガーネットやアレン・アイヴァーソン、
ギルバート・アリナス(初出場が嬉しかったのだろう)のようにサーヴィス精神旺盛な
パフォーマンスを見せながら入ってくる選手もいれば、
ティム・ダンカンやグラント・ヒルらのようにいかにも愛想なしというか
真面目に不器用に花道を照れくさそうにして歩いてくるプレイヤーもいたりして。
中でもやっぱり貫禄充分、スターの風格に満ちて入ってきたのはシャキール・オニール、
もうゴッドファーザーってカンジ。
ただコービ・ブライアントの名前がアナウンスされて登場口に彼が姿を現した時、
大歓声に混じって聞こえてきた決して小さくなかったブーイング、
そしてそれを耳にした時のコービの表情が何とも哀しかったではないか。
確かに例のレイプ疑惑裁判やシャックとの確執などでダーティなイメージもついてしまった彼だが、
プライドを賭けた真剣勝負の場ではない、
お祭り騒ぎであるべきオールスターでまでブーイングしなくたっていいじゃないか、
しかもウェストのホームなんだし。
コービは少なくともバスケットボールに対しては決して手を抜かず気を抜かず、
真摯に懸命に取り組んできているだけに、余計にそう感じる。

総括的にゲーム自体を振り返ってみると、
近年のオールスター・ゲームに違わずオフェンス・ディフェンスともに“マジ”度合いが高く、
非常に観ていて楽しめる良い試合だったと思う。

まず前半を観てみると、AIからレブロン・ジェイムズへのワンハンド・アリウープ
(あまりにパスが高過ぎるように見えたのできっと捕れないと思っていたら
レブロンは軽々と片手でキャッチした)に奇声を発し、
このたび完全復活を遂げたと言ってもよいグラント・ヒルのアリウープにも顔がほころんだ。
それにオールスター・ゲームでなければ見ることのできないダンカンのスリーポイントや
シャックのWクラッチ(!)からのダンク、
同じくシャックのポストプレイならぬクロスオーヴァー(!)を使った1 on 1など、見どころたくさん。

一番凄かったのは前半も残り少なくなったところで飛び出した
ヴィンス・カーターのバックボードを使った“1人アリウープ”!
彼の従兄弟であるトレイシー・マグレィディが過去にオールスターの舞台で2度見せた荒技で、
自分でバックボードにぶつけたボールを空中でキャッチし、
そのままリングにぶち込むというプレイである。
このプレイもカーターがバックボードにボールをぶつけて跳ね返ってきた瞬間は、
「ダメだ、強過ぎる! こりゃあ捕れずに頭の上を超えていくんじゃあ…!」と思ってしまったんだけど、
地球の重力の感じられ方が我々凡人とは違う鳥人にそんな心配は無用だったみたいで、
見事に綺麗に、誠に美しいワンハンド・スラムをリムに叩き込んでアリーナは(そしてボクも)
興奮のるつぼに包まれたのだった。

後半ももちろんハイレヴェルかつエンターテインメントにあふれた試合が繰り広げられ、
まずはKGが見せたケモノじみたブロック・ショット。
惜しくもゴール・テンディングを吹かれてしまったが、
リングの遥か上方、とてつもない高空地点でボールを叩き落した後、
目をギョロつかせ歯を剥き出しにして力の限り吼えている彼を、
野生の獣と呼ばずして何と表現するべきか。

アマレ・スタウダマイアのリヴァース気味に入ったアリウープももちろん凄かった。

NBAはここ数年、というかマイケル・ジョーダンが不在になってからウェストが力的にイーストを圧倒する、
いわゆる“西高東低”の時代が続いているが、今年も例に漏れず、
シャックがイーストに移籍したものの全体的なバランスは相変わらずウェストの方が強く、
実際に今回のオールスター・ゲームの先発メンバーおよびベンチ・メンバーを見てみても、
まずサイズでウェストが大きく上回っているのがすぐに分かり、
層の厚さをとってもうーんやっぱりウェストかなあ、とボクは思っていた。
ところが予想に反して試合はイースト優勢で終盤を迎え、今回は4年ぶりの勝利なるか?

ここにきて驚かされたのと同時に、改めて気付かされたともいえるのが、
コービの勝利に懸ける執念であり、闘争心であった。

彼は足首を痛めており、未だ万全の調子ではないはずなんだが、
そんなことを微塵も感じさせないハードなプレイぶり。
最近のオールスター・ゲームは勝ち負けを以前よりも重視するようになり、
ディフェンスにも力を入れるようになった、という趣旨のことは先ほど書いたが、
第4クォーター終盤、イーストにリードを許しているウェストのジャージーを背負って
コートに再び登場したコービが見せた勝負魂たるや、
それをまた一段階凌駕する恐ろしいまでの執着心であった。
もうプレイオフかよこの試合は? ってな具合の密着ディフェンスに、
付かれていたアイヴァーソンも思わず苦笑い。
何だかんだと言われてはいるが、
やっぱりコービ・ブライアントこそがあらゆる意味でMJに一番近いコンペティターなのかも知れない、
と素直に思った。

結局コービのファイティング・スピリットは実を結ぶことなく、
イーストの勝利で終わった今年のオールスター・ゲームも、実に良い試合であった。
ただファスト・ブレイクの時とか、
一番見せ場のダンクの瞬間にゴール下のカメラをスウィッチするのはやめて欲しいんだけどなあ。
俯瞰で普通に試合を見せてる少し引いた画の方が空中プレイの凄さは伝わるんだけど。
何でもアップ切りゃいいってもんじゃなくて、
そのあたりはライヴじゃなくてスローVTRの時にでも見せてもらえたら。



2005年2月20日(日)
「久々のグルメ日記か?」


割りとゆっくりめ、午後から活動を始めた2週間ぶりの休日。
朝兼昼食をとった後、妻と2人、まずは関西スーパーでお買い物。
あれ、天気雨かな、と思って空を見上げると
それは雨ではなくチラチラと舞い散る小粒の雪であった。
帰途、ブラリと甲陽園にある人気洋菓子店「ツマガリ」へ立ち寄り、生ケーキを数個買って帰宅。
しかし本当に女というものはケーキ屋に一歩足を踏み入れた途端に
何であんなに興奮するんだろう?
マニアックなペット・ショップに入った時のオレ並みだ。

夕飯は夙川駅の西にあるメキシコ料理店「ラティーノ」で。
うちから歩いても10分と掛からないところだが、あまりの寒さ、
そして天気予報オタクの妻によると今晩遅くから強い雨が降るらしいとのことで、
横着にも車で行く。

本日オーダーしたのはシーザーサラダ、サボテンとチーズひき肉のタコス、仔羊のタコス、
そして魚介類がたくさん入ったブイヤベース鍋。
ここはもうタコスが絶品で、トウモロコシの風味が活かされたトルティーヤ、
少しスパイシーだけど抜群の味付けで調理された具ともに言うことなし。
さらに圧巻はブイヤベース鍋。
エビ、貝類、イカ・タコ類、野菜などが満載で香り付けにコリアンダー、
リングイネも煮込まれていてそれなりのヴォリュームも。
以前この店に来た際、隣のテーブルに座っていたお客さんが食べていた一品で、
ジーっとそれをもの欲しそうに見つめていた妻がそれ以来ずっと
「食べたい食べたい」と呪文のように繰り返していたブイヤベース鍋、
まさにこんな寒い夜にはピッタリの料理であった。

このあとはツマガリのケーキですか。
いやいや。



2005年2月16日(水)
「血眼になって拳銃を求めていたあの頃」


少し前、埼玉県にある用水路で1700万円だか1800万円だかの謎の現金が発見され
(結局盗まれた金であったことが後日判明、犯人も捕まった)、
その報を聞いた愚かな、と言っては失礼だが、好奇心にあふれ行動力たくましい人たちが多数、
件の用水路に押し寄せた、というニュースがあったが、皆さんの覚えも新しいことと思う。

ボクはその様子をふむふむと眺めておったわけだが、ある瞬間、
ありゃ、こりゃあ他人事じゃないぞ、オレもこんなことかつてやってたことあるがな、
という事実をはたと思い出してしまった。

あれはボクが大学生の頃だったので10年程前のことだったと思うが、
暴力団対策法、正式名称は知らないが一般に暴対法と呼ばれていた法律が
より厳しい方向に改正されたという出来事があった。
それにより暴力団のシノギ行為全般が以前に比べて行使しにくくなり、
果ては銃刀法の不法所持についてもより厳しく取り締まられることになったため、
銃器の類を手に手に携えて自首する暴力団員がけっこうな数現れた、
という報道もあったように記憶している。
その多くの報道の中の一つに、
京都の鴨川畔、四条だか五条だかの橋の下に拳銃を隠したので回収してほしい、
という匿名の通報が警察にあり、
実際に警官が現場に行ってみたら果たして通報の通りに拳銃が見つかった、というものがあった。

それを聞いて当時京都に住んでいたボクの脳ミソに天啓がひらめいたとして、誰がそれを笑えようか。
いや、笑えるけど。

その日からボクの京都 鴨川行脚の日々が始まった。
来る日も来る日も午前中から河畔に繰り出し、
北は鴨川が加茂川と高野川に分かれる出町柳よりも遥か上流、上加茂のMKボウルのあたりから、
南は京都駅を越えてさらに下流に下流に、一体どこなんだこの工業地帯は、
という風なことを感じるあたりまで、足を棒にして捜索を続けた数週間。
言うまでもなく橋の下はもっとも丹念に力を入れて捜索するものの、
出てくるものといえば乞食の生活の残骸品ばかり、
藪の中も木の棒でツンツクツンと探し回ったが、
唯一おおっっと嬉しくなるのはヘビがニョロリと顔を覗かせつつスルスルと逃げて行く時ばかり。

言うまでもなく、拳銃など一つも、その匂いすら見つからなかった。
まあもし見つけてたら、使ってしまうか、
もしくは黙ってられずに人に言いふらしてしまうかして絶対捕まってるけど。



2005年2月14日(月)
「NBAが熱いんじゃないか!」


ここ数日のうちにいくつかインプレッシヴなNBA関連ニュースが飛び込んできた。

まずはアレン・アイヴァーソンが何と60得点!
こりゃあ凄い。
いくらスタイルが変わってきつつあるとはいえ、
やはりバスケットボールは絶対的に身長の高いプレイヤーが有利なスポーツ。
特にそれが顕著に現れるのが当然ゴールに近いところ、
ペイント・ゾーンと呼ばれるエリア内でのプレイとなる。
そしてこれも当然、よりゴールに近いところから放たれるシュートの方が一般的に高確率で成功する。
だから、より多くの得点を挙げるためにはいかにディフェンス・プレイヤーの重圧を減じ、
またいかにゴールの近くから自分のタイミングでシュートを撃つことができるか、
ということが大いに関係してくることになる。

公称183cm、実際には180cmにも満たないと言われているアイヴァーソンは、
電光石火のペネトレイトとどんなデカいプレイヤーにも物怖じしない熱いハートは持ってはいるが、
残念ながらゴール下でのゴリゴリしたボールの奪い合いに参戦する権利や、
ディフェンス・プレイヤーのブロックの上から
何でもないジャンプシュートを撃ち下ろすことができる資格は持ち合わせてはいない。
その上で過去にNBA得点王を3度も獲得しているのだからまさに驚異のプレイヤーであるわけだが、
それに加えてこのたびの大爆発は本当に賞賛、そして愕然に値する。

実際に今回60点取った試合の映像を観たわけではないが、
こういったタイプのプレイヤーがビッグ・バン級のポイント・ゲットを果たすのは
本当に困難なはずだ。
小さなプレイヤーには3ポイント・シュートという飛び道具も用意されているが、
彼は決してそれを得意とするシューターではない、
かといって易々とマーク・マンを振り切ってイージーなジャンパーを撃てるわけでもない、
ましてや一番確実なゴール下でのレイアップもそのたびに相応のリスクと体力を必要とする…、
などなどすべての観点から言って、凄い。

もはや年齢的には身体能力のピークは超えているはずだが、技術は向上、
そして今シーズンは故障箇所の状態もよく気力も充実、といったところなのだろう。

他のニュースとしては、レジー・ミラーが今シーズン限りで現役引退することを表明、
カール・マローンに至っては結局今シーズンはプレイすることなくこのまま引退すると発表。
オールド・ファンにとっては一抹の寂しさは拭えない報だが、
何より2人ともチャンピオン・リングを熱望し、
特にここ数年の晩年はそれだけを求めてNBAで戦い続けていたということがよく分かるだけに
何とも哀しいけれど、まあ仕方ない。
チャールズ・バークリーやジョン・ストックトンらと同様に、
これもあのマイケル・ジョーダンと同じ時代に生まれてしまったプレイヤーだからこそ
演じてしまった悲劇の一種である。
鬼のいぬ間に栄光に浴すること、悲運から逃れることができたスーパースターは、
デヴィッド・ロビンソンとアキーム・オラジュワンだったということか。

さらにはいくらケガ人続出とはいえあの戦力であの成績ではやっぱりチト厳しいかもね、
といった感のあったミネソタのヘッドコーチ、フリップ・ソウンダースが解任され、
後任にケヴィン・マクヘイルが座ったというニュース。
セルティクス ビッグ3の1人、ラリー・バードはヘッドコーチとして一応は成功を収めたと言えるが、
果たして。

オールスターも近付いてきたが、ここにきてNBAが熱いんじゃないか。



2005年2月13日(日)
「公共性の高い大企業による、子供じみたケンカ」


NHKが昨年の『紅白歌合戦』の再放送をテレビ朝日『ミュージックステーション』の真裏に編成、
そのあおりを喰ってテレビ朝日は『Mステ』スペシャルを翌週に延期せざるを得なくなった、
という先週のニュースは衝撃的だった。
基本的に放送業界では、出演者(本当はスタッフもだが)の“裏カブリ”というものはご法度。
たまーに誰が何をどう間違ったのか、思いっきり全国ネットでカブっってるやん!
という例もなきにしもあらずだが、そんな事態は本当に恥ずかしいことで、
またどこかで誰かが何らかの罰を受けるのもまた必定の理となる。
例外的に地方ローカルの番組であったり、
どちらかがリピート(再放送)であった場合などは許されることもあるが、
今回のような巨大番組の場合はその例外条項はまるで当てはまらない。
それにしても一つ解せないのは
明らかに後出しジャンケンを仕掛けた側のNHKの言い分がなぜまかり通って、
テレ朝が番組を移動させなければいけないのか、ということだが、
すでに収録済のコンテンツをあとは流すだけという側の方の物理的な論理が
そこは優先されてのことなのだろうか?
まあそれはこの際の本題ではないので今は置いておくけど。

こんなみっともない状況に陥ってしまった主要因としては無論、
“政治家介入による番組改変疑惑”をめぐる一連のNHK vs 朝日新聞の争いが
大きく関係していることは想像に難くない。

話は変わって、数日前、ライブドアがニッポン放送の株式を35%取得し、
筆頭株主となったことが明らかにされた。
これは通常の手法を踏んだ市場取引ではなく時間外取引であった、ということを始め、
既存の日本社会を司っているビジネスルールをいわば無視した乱暴な商売であったことから、
堀江貴文社長率いるライブドアをどちらかというと批判的に論じる見方が
一般的には強くなっているようだ。
確かに中・長期的なヴィジョンがそこにあるのかどうか、
売り抜けて資金集めをするだけなのではないか、という問いにはボク自身も考えても分からない。
何よりも“メディア”を牛耳ろうとしている(?)様があの一見不遜とも感じられる態度と相まって、
あらぬ反感を買ってしまっている部分もなくはないだろう。

ところでこのライブドアの動きに黙っていなかったのが、
ニッポン放送が属するフジサンケイグループの名実ともに核企業であるフジテレビジョン。
買い付け価格の操作や何だと我々が今回初めて耳にするような裏技を駆使して
何とか対抗しようと策を講じているらしい。

ここで論じたいのはもちろんそんな難解な経済戦争の舞台裏などではなく、
フジテレビはこのライブドアの株買収を受けて、
堀江貴文氏が出演してすでに収録も終えていた『平成教育2005予備校』のオンエアを中止した、
という事実。
そればかりかフジは報道枠でもこの関連ニュースを一切伝えないというスタンスを取り続けている。

最初に挙げた「NHKと朝日新聞の争いから派生した『紅白歌合戦』再放送問題」も、
今しがた記した「フジテレビが画面からライブドア(堀江貴文)を追い出した現象」も、
れっきとした電波事業者たる放送局の行っている所業で、決して子供同士のケンカなどではない。
公共放送であろうが民間放送であろうが、
これが免許を交付されて放送電波を放射している報道機関のやることかと思うと、
本当に情けなくなるではないか。

とても言いたいことのすべては今ここで書き尽くすことはできないなあ。



2005年2月12日(土)
「神を超えろ!? レブロン」


いよいよ約10日後に迫ったNBAオールスター・ゲーム。
先だってファン投票によって選出されたスターターに加え、
リザーヴ・メンバーも数日前に発表されてすべての顔ぶれが出揃った。
グラント・ヒルの嬉しい復活や、
ヴィンス・カーターの今度ばかりは文句は言わせないぞ的なスターティング・ポジション獲得、
改めて地球におけるチャイニーズ・パワーを実感させられるヤオ・ミンの全体獲得票数1位などなど
今年もいろいろなトピックスがあるけれど、
中でも個人的にもっとも注目しているのはやはりというべきか、レブロン・ジェイムズである。

昨年末に20歳になったばかり、今年2年目のレブロンは、
オールスター・ゲームの前座として行われる、1年目の選手たちと2年目の選手たちが対戦する
ルーキー・オールスター・ゲームに今年もノミネートされていたが、
そんなん出てる場合じゃねーよ、本選に選ばれるに決まってんだからさあ、
といった素晴らしい活躍をシーズン当初から続け、
もちろんその予想通りファン投票による堂々の初出場を果たすこととなった。

とにかく今シーズンのスタッツたるや、本当に凄まじい。
ざっと現時点の数字を羅列してみても、25.1ポイント(NBA7位)、7.2リバウンド(NBA33位)、
7.7アシスト(NBA4位タイ)、2.36スティール(NBA2位)と、まったく死角のない超人的活躍。
トリプル・ダブルも2度達成している。
中でも特筆すべきはアシストの数字だろう。
リーグ4位って!
ジェイソン・キッドとタイって!
うーん、ボクの貧困な語彙では彼を正当に褒め称える適当な言葉が出てこない。
それぐらい、凄過ぎる。

去年まではNBAを代表するスーパーマン、トップ・オールラウンダーといえばケヴィン・ガーネット、
あるいは今年は少し精彩を欠くところもあるものの、次いでトレイシー・マグレィディである、
とボクは思っていたけど、それを高校出て2年目、20歳の選手が最早凌ごうとしているとは。
ボクの中ではもう、一番凄かった90年代中頃のグラント・ヒルは超えている。

マイケル・ジョーダンが本当にNBAのコートから去った時、
「マイケルがいなくなってもNBAは終わらない。きっと次のスターが現れるさ」
とある人たちはしたり顔でうそぶいていたが、図らずもそれは真理に違いなかった。
どこまでのレジェンドになるのか本当に楽しみだし、
またそんなプレイヤーの歩みをリアルタイムで追っていける幸せを、
一スポーツファンとしてひしひしと感じる。



2005年2月6日(日)
「神戸で大散財」


今日は休みだったので、午後から妻と神戸でお買い物。
例によって市役所界隈や旧居留地、栄町あたりをうろついて、
TOMORROWLAND、TRANS CONTINENTS、DIESEL、COLE HAAN といったお気に入りの店たちで、
スプリングコート、ジーンズ・パンツ類、シャツ、ブラウス、ニット、ブルゾンなどをまとめ買い。
大散財。
でもショッピングという行為そのものが充分にストレス解消に役立つ
女性という生き物である妻にとっては非常に楽しかったみたい。
なんてことを白々しく書いているかくいうボクも、まんざらではなかったのが恐ろしい。
“美容院に行く”という行為と同じく、ソレをやっちゃあ男じゃない!
と認定される行い(あくまで私見でございます)の中に“ブラブラショッピング”も入る、
という固定観念を今まで持っていたボクにとって、これは小さくない変化と言える。
時は人を少しは変える?

帰り道、苦楽園口駅西側にあるラーメン屋「ラーメンたろう」で晩飯はチープに済ます。
驚きの『トマトラーメン』、意外や予想に反して、とっても本格的、
フレッシュトマトも存分に使われた立派なトマトソースじゃないか。
ラーメン作ってる兄ちゃんがイタリアンのシェフに見えたよ。



2005年2月4日(金)
「春の新シフトが発表されたよ」


現在は木曜の昼に生放送の番組を担当しているため、
前日の水曜日は毎週会社にて夜を明かすスケジュールを消化しているが、
ここ1週間ほどずっと何となく引いていた風邪が2日ほど前から悪化の一途、
おかげで今週の本番前後の体調は激悪、でもなぜかテンションは高いというありがちな状態だった。
でも先週そして今週と担当したオンエアはある程度満足のいく内容で、気分は悪くない。

それはそうと、一昨日の出勤途中の電車の中で、
隣にとてもとてもイタいカップルが乗り合わせてそれはそれはもう。
時刻はお昼少し前、ちょうど座席が全部埋まるか埋まらないかぐらいの人口密度の車内で
ヤツらにより繰り広げられたのが以下のような会話。

「もう、今日の朝○○くん、メッチャ重かったわぁ、ぎゃ」(♀)
「えぇえ、そうぅ〜?」(♂)
「もう、いつもやったらどいてって言ったらすぐどいてくれんのに、
今日は全っ然どいてくれへんねんもおん、みゅ」(♀)
「にへへ、にへへ」(♂)
「もう、重いから今度からちゃんとどいてねぇ、にゃ」(♀)
「にょひゃひゃ、なにぃ、怒ってんのぉ?」(♂)
以下同文。

1メートルぐらい離れたところに立って文庫本に目を落としていたボク、
別に聞きたくもないのにまったく辺りはばかることないヴォリュームの話し声だから。
男の方は今の若い世代に少なからず見受けられる、
ボソボソモゴモゴと気色悪い口の利き方をするタイプ。

電車に乗ってる時近くにいたら困るのどんな人って訊かれたら、乞食(臭い人)に泥酔者に
香水振り撒きケツデカオバハンに突然雄叫びを上げる山下画伯風の人などなどいるけど、
彼らもそちらのカテゴリーにお入りいただいてなんら違和感はない。

うーん、まさしくおっさんのボヤキじゃないか、これは。



2005年2月2日(水)
「月初めから何やら不穏な話」


昨日は会社で中村七之助に似てるって4人ぐらい(とあるタレントも含む)に言われた。
ボクは酔って警官なんか殴りませんって。

昨年10月、会社規定の健康診断として人間ドックを受けたんだが、
後日自宅に郵送されてきた結果表に、『肝内血管腫の疑いあり 3ヶ月以内に要再検査』との記載、
その薦めに従って昨日午後、おとなしく再検査を受けてみた。
モニターを見ながら超音波を発する器具でお腹をグリグリするという検査。
その結果、どうやら肝臓の中に血管腫という腫瘍があるのはどうも確からしい。
先生は良性だと断言していたが、それが根拠のある言い切りなのか気休めなのかは分からない。
そしてまた3ヵ月後、もう一度検査をしてみるから来てくれとのこと。
その腫瘍の成長具合を経過観察してみて、何か動きがあればさらなる精密検査に移行、
状態に変化がなければ恐らく古くからある無害の良性腫瘍なので放置しておいても可、
ということらしい。
最悪の場合…、わ、ガンでねべが。

ボクのことを知ってる人は知ってると思うけど、睡眠不足および不規則な生活パターン以外は、
ものすごく健康に気を遣った生活を送っているんだけどなあ。





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