第6日
2012年8月31日(金) 「ゾウの孤児院を見て、コロンボの町を見て、日本へ」 2012.9.16 公開
スリランカで過ごす最終日。
6時前に目は覚めていたが、7時までウトウトしながら過ごす。
朝食に行ってみると、いつもの1Fのレストランではなくて、その上階にあるスペースに案内された。
今日は下のレストランで結婚式が行われるそうで、すでに準備が始まっているようだ。
それにしても本当に結婚式が多いなあ。
1Fレストランは結婚式のデコレーションが施されていた
朝食会場となった2Fのスペース
昨日失われた妻のベルトだが、ランドリールームまで妻が見にいったらすぐに見つかったらしい。
何よりだ。
この日も天気が悪く、ホテルを発つ直前に強い雨が降り始めた。
私は一歩先に部屋を出て歩いてフロントに向かったが、
少し遅れて出てきた妻は、ホテルの従業員の好意により、
スリーウィーラーにプレーマガイド及びスーツケースとともに乗って移動してきたとのこと。
羨ましい。
雨の中、トゥリー・オブ・ライフを後にする
9時、チェックアウトを済ませてコロンボ方面へ向けて出発する。
次なる目的地は、ピンナワラという町にあるゾウの孤児院である。
家族を失った仔ゾウを保護することを主目的としている施設で、もちろん大人のゾウもたくさんいて、
さながらゾウ専門動物園といったところのようだ。
キャンディからコロンボへつながる一本道は"キャンディロード"と呼ばれており、その街道をひたすら行く。
キャンディからコロンボへと続くキャンディロード
移動中、路傍でドリアンを売っていたが、
そういえばあまり大っぴらにドリアンを見かけることはなかったような気がする。
プレーマ氏によるとスリランカではドリアンは他の南国においてほど好まれているようなわけではないそうで、
やはりその匂いのために忌み嫌われている節もないではないらしい。
かくいうプレーマ氏も「私もあまり好きじゃない」と苦笑いしていた。
ただ、ドリアン=フルーツの王様というたとえはスリランカでも間違いないそう。
そして女王はマンゴスティンらしい。
上記の2つ及びランブータンは季節ものにつき比較的高価なフルーツだが、
年中収穫できるバナナ、パイナップル、パパイヤ、スイカなんかは安価だという。
そういえばその安価なグループのものが各ブッフェにも並んでいた。
フルーツの女王と言われるマンゴスティン
途中、カドゥガンナワという町を通っている山岳道から、
まるでシーギリヤロックのような形をした岩山が見えるのを教えてもらったが、
これを植民地時代に"バイブルロック"と英国人が名付けたとのこと。
四角い形状が書物のように見えたのかな。
雲の向こうに見えるバイブルロック
また、マワネラという町では、1羽の大きなコウモリが電線にぶら下がっているのが見えたので、
「あ、コウモリだ」と声を上げたら、そのすぐ近くに流れている川の傍にある樹のところに連れていかれ、
指された先を見ると巨大なコウモリが無数に逆さになって枝に留まっていた!
おそらく翼を広げると1mは超えているだろう。
フルーツバットの1種だろうな。
木にぶら下がっている大量のオオコウモリたち
11時前、ピンナワラのゾウの孤児院に到着した。
日本の日曜日の動物園よろしく、家族連れなどで混み合っており、前の道路も混雑している。
ゾウの孤児院の正面入口
周辺道路は混んでいる
中は動物園のような広いスペース
普通にこうしてゾウが歩いている
ゲートをくぐって中に入り、まずは動物園のような広いスペースを少し見学、
それから一旦門の外に再び出て、道路を渡った反対側にある川の方へと移動する。
この時間帯は川でゾウたちが水浴びをしている最中で、それを見るのが定番になっているみたいだ。
川へと至る道には店が立ち並んでいる
果たしてたくさんいた、川に入っているゾウも、それを見ている人たちも。
例によって餌用のバナナ売りもいて、私も例によって買ってしまい、ゾウにあげてみたり。
やっぱり大人のゾウよりも仔ゾウがかわいいなー。
水浴びをしているゾウの群れ
やっぱりバナナをやってみる
楽しそうに遊ぶ仔ゾウたち
仔ゾウはかわいらしい
しばしの見物の後、正午に水浴びを切り上げて園の方にゾウたちが戻るというので、
その移動を見るために道路の方へと移動。
先頭に立つゾウ使いがサイレンのようなものを鳴らしながら、
川から園に至る道を真っ直ぐにゾウの一団がやってきた。
なかなかの迫力だ。
サイレンを鳴らしながら歩いてくる男を先頭に、ゾウの群れがやってくる
目の前を園の方へ向かって歩いていく
満足して川の方へと再び戻り、桟敷席のようになっているホテル、エレファントベイのレストランで昼食を摂る。
今回もブッフェではなく、チキンビリヤニとクラブサンドウィッチを頼んでみた。
ビリヤニってのはドライカレーみたいなものなんだな。
川がよく見えるエレファントベイのレストラン
チキンビリヤニ
そういえばこれまで飲み物に関してはほぼ言及していなかったが、
私たちが頼むのは大体フルーツジュースで、それもミックスジュースが多い。
生ジュースが身近に必ずあるのも、南国の良さだ。
生搾りのフルーツジュースばかり飲んでいた
プレーマガイドによると、ここのゾウは1日300kgの食物を喰い、200lの水を飲むという。
かつてはスリランカにももっと多くのアジアゾウが棲んでいたらしいが、
イギリス人の乱獲によって大きく数を減らしてしまった。
「1人のイギリス人が何千頭ものゾウを殺したという記録もあります。ホビーでですよ」
と語ったプレーマ氏の言葉には静かな怒りが確かに籠っていた。
同様に、昔は生息していたというアジアライオンも今はスリランカにはいない。
シンハラという名前にも表れているように、各所に象徴としては生き残っているが、それだけになんだか物悲しい。
ゾウの孤児院を後にし、再びコロンボへ向けて移動再開。
相変わらず町の玄関口に当たるような交差点には仏像がよく置かれている。
スリランカに来てからこれまで、本当に数多くの大小仏像を目にしてきたが、
全体的にデザインはのっぺりしている、という印象がある。
悪く言えば、造作が大雑把。
やっぱり日本の寺とかにあるものの方が、手工芸作品としての完成度は遥かに高いんだなあ、
ということがよく分かった。
これはキャンディのアッパーレイクにあった仏像
15時、大きな川を渡り、ここからコロンボの市街地に入る。
スリランカ最大の都市、あるいはクアラルンプールやシンガポールのような雰囲気なのかなひょっとしたら、
とも思っていたが、あそこまでのカラーではなく、あくまでもキャンディその他の町の延長、といったイメージだった。
大都会、コロンボだが、ポヤデイのため車通りは少ない
国際会議場の前など通りつつ移動を続けるが、確かに満月の祝日"ポヤデイ"ということで、
開いていない店も多い。
紅茶専門店のTE-KADEでSENOKの製品を購入してから、
マジェスティックシティという大きくて新しいショッピングセンターの向かいにある、
その名もホテル・ド・マジェスティックというカフェで、
現地名で"キリテー"と呼ばれるミルクティーをガイド、ドライヴァーとともに4人で飲む。
ちなみにスリランカでは、よくこのようにカフェが"HOTEL"という看板を掲げているが、
それはしばしば宿泊所ではなく、こうしたただの喫茶・軽食店であったりする。
温かいキリテーを飲む
その後、ザ・グランド・レジェンドという食器店に立ち寄ってもらい、
シーギリヤレディの絵が描かれた飾り皿を購入。
ここは、スリランカに工場を持つノリタケの直営店である。
この皿は高くはなかったが、ティーセットなどは日本円にして万単位とかなり高価な値が付いていた。
ザ・グランド・レジェンドの正面
店内の様子 食器だけじゃなく絵なども売られていた
購入したシーギリヤレディの絵皿
夕食は一軒家レストランとしてガイドブックに載っていた店に行きたかったのだが、
住所と地図を頼りに場所を確かめようと思っても、どうしてもそれらしきものが見つからない。
はて、と皆困惑し、あたりの人に何度も訊いて回るなどした結果、ようやく閉店していた、という事実が判明し、
空き家となっている建物も確認できた。
残念。
まだ夕飯の時間までは少しあるので、プレーマ氏のガイドでコロンボ市内を回る。
途中、コロンボ大学の前も通り掛かったが、
プレーマ氏の3人いる娘さんのうち2人が現在この大学に通っているそう。
スリランカではパブリックスクールの授業料や病院の治療費はすべて無料だそうだが、
その代わりに公立大学に入るのは極めて難しく、曰く全体の2%ほどしか入学を許されないという。
プレーマ氏の娘さんはとても優秀なのだな。
公立大学に入ることができないお金持ちの子弟は留学に出るんだとか、なるほど。
独立記念広場を守っている何者か
他、独立記念広場を歩いたり、車で大使館が集まっている界隈やヒルトンなどの高級ホテルの前を通ったり、
海に面したゴールフェイスグリーンという芝生広場に
たくさんの家族連れやグループが遊びに来ているのを見たり、
メインストリートで少しだけ車を降りてみたり、青空市場の前を通ってみたり。
大使館の近くではピカピカのポルシェ・カイエンを見た。
市役所の前にある寺院の入口の所に、まるでマンガのように笛を吹いてコブラを操る男がいたので、
撮影料を支払って写真を撮らせてもらった。
他に傍若無人というかかわいらしい仔ザルも連れていて、そいつが私の頭の上に乗ってきたり、大変だった。
コロンボのメインストリート やはり人通りは少ない
港にほど近い青空市場も閑散
鋭い眼をしたコブラ使いの男とコブラ
18時30分、シーフィッシュという、その名の通りのシーフードレストランで夕食。
店内には琉金やプレコなどが泳ぐ大きな水槽が2つあった。
食用の生簀ではないようだ。
大きなエビフライや各種魚のソテーなどが載ったコースをあらかじめ注文してもらっていたが、
美味いんだけどいかんせん量がメチャメチャ多い。
時間はたっぷりあるのでゆっくり食べたが、半分ちょっとしかクリアできなかった。
シーフィッシュ入口
店内には大きな水槽が2つ置かれていた
コースメニューはおいしかったが、量が多過ぎてとても食べ切れず
20時過ぎ、レストランを出て、ついに空港へと向かう。
改めてプレーマ氏に聞いたんだが、現地の人たちはアイスティーやレモンティーは飲まないとのこと。
また、朝と晩は紅茶を飲むが、昼ごはんの後に飲むという習慣は不思議とないそうだ。
21時、バンダーラナーヤカ国際空港に到着、ここでプリアンテドライヴァー、そしてプレーマガイドとはお別れ。
本当にお世話になりありがとうございました!
空港内をウロウロ
帰りの便、UL454は23時30分発なので、搭乗及び出国手続きを終えてもまだ結構時間があり、
思ったより充実していた空港内のショップを見て回り、妻がTシャツを購入したり、少し買い物。
スリランカルピーをきっちり使い果たし、念のため持参していたUSドルもほぼなくなってしまった。
そうこうしているうちに搭乗時間がやってきて、機に乗り込むも結局1時間遅れの翌0:30に離陸と相成った。
第7日
2012年9月1日(土) 「ゾウの孤児院を見て、コロンボの町を見て、日本へ」
ほどなくして1回目の機内食が供されるが、さすがにそれほど腹は減っておらず、
また眠くて半分ぐらいしか食べられず。
真夜中過ぎにガッチリ機内食
少し寝て、2度目の機内食となる朝食は完食した。
日本時間の13時半頃、無事に成田に到着し、リムジンバスで羽田へ移動、
16:30発のJALで伊丹へと帰りついた。
空港で蕎麦喰って、西宮に帰宅。
(了)
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