第3日
2012年8月28日(火) 「シーギリヤロックに登る」 2012.9.15 公開
レストランの入口前には大きなフクロウのオブジェが
6時半起床、朝食ブッフェへ。
クレープ状の生地の上に目玉焼きを乗っけたものを今回は目の前で調理してくれるのだが、
これはビッタラアーッパというらしい。
英語でいうとエッグホッパー。
これまた目前で搾ってくれるパッションフルーツジュースも絶品だった。
ワッフルも焼きたてが食べられる
右側のものがビッタラアーッパ 左はチキンソーセージとベーコン
特に右側のパッションフルーツ搾りが絶品だった
部屋に戻ると、ヴェランダにサルがたくさんやってきていた。
そして下の芝生にはマングースの姿も見えた。
リスもたくさんいる。
今日も暑くなりそうだ。
ヴェランダに来ていた仔ザル
9時前、ホテルを発ってシーギリヤに向かう。
ホテルの前にあるカンダラマ湖をグルリと回って、対岸からヘリタンス・カンダラマを眺めるとまた違った趣。
湖の向こうに見える、宿泊しているホテル、ヘリタンス・カンダラマ
道中の田畑には、まるでツリーハウスを思わせる小屋のようなものが木の上に設置されているのだが、
これは野生のゾウに荒らされないように不寝番が籠るための見張り小屋だそうだ。
それは大変だ。
木の上のツリーハウスのようなところで夜通しゾウを見張るという
だがこういったディテールこそが、現地に来ないと拾えない生の情報だろう。
10時前にとうとうシーギリヤロックに到着した。
車からでも眼前に迫るロックが見えると興奮が高まる。
遺跡の周りには日本の城のように堀が巡らされているのだが、ここにはワニも棲んでいるという。
ついにやってきたシーギリヤロックの前で
シーギリヤロックの周囲に巡らされた堀 日本の城のようだ
併設されている博物館でトイレを済ませてから、いよいよシーギリヤロックを登り始める。
帽子とサングラスをしっかり装備しているし、天気は良いものの風が強く吹いているせいか、
耐え難いほど暑いということはない。
ここも昨日の石窟寺院と同じく、スリランカ人の姿も多い。
それにしてもこのような環境の場所に王宮を造ってしまうとは、改めて感嘆する。
狂王 カーシャパの執念が時を隔てて見える気がする。
頂上を目指して登り始める
フレスコ画の手前にはこんな螺旋階段も
フレスコ画のシーギリヤレディも事前から非常に楽しみにしていたものなのだが、
とても鮮明に残っているじゃないか。
こんな風にシーギリヤレディは描かれている
一番近いところに描かれていたシーギリヤレディ
その上に描かれていた2人のシーギリヤレディ
中央付近に描かれていた2人のシーギリヤレディ
手を描き間違えてしまい、ごまかすために服を着せた、
なんてエピソードを聞くとなんだか微笑ましいような呆れてしまうような。
よく見ると胸のあたりに第三の手が… 描き間違いを、服を描き足すことによってごまかしたという
ちなみに服を着ていないシーギリヤレディの方が位が高いんだとか
ミラーウォールを抜けてさらに少し登ると、巨大なライオンの足が象られた門へと辿り着く。
かつてはちゃんと顔も付いていたそうだ。
ミラーウォール かつては鏡のようにピカピカに輝いていたという
ライオンの両前足が守る門 往時は顔もあったらしい
近くで見るとド迫力の足
それにしてもこの門、こんなにも山の上の方にあるとは思わなかった。
周囲の地形は平らだし、そもそも門なのだから、もっと地表近くにあると勝手に思い込んでいたみたいだ。
ここからもうひと頑張り、シーギリヤロックのてっぺんを目指す。
同行しているガイドのプレーマ氏もちょっとしんどそうだぞ。
そして結構危険な箇所もある。
風が強いので時にヒヤッとすることも。
サルも岩山を登る
頂上の王宮跡は、見事にスカッと開けていた。
ちょうど乾期で、また特に雨が少なくて当地でも少し困り始めている、というほどだったから、
水を湛えているはずの池はほぼ干上がっていたが、
往時、ここにどうやって水を貯めていたのかは未だよく分かっていないそう。
下からひたすら人力で運んだとしか考えられないということなのだが…。
頂上からの眺めはスカッと開けていた
ここには水が湛えられていたというが、どうやって運んだのかは不明
この遺跡は、存在としてはちょっとマチュピチュのようでもある。
下り道、大きな岩を削って作られた王のベンチや、会議場、コブラの頭の形をした巨岩なども説明してもらう。
麓には土産物店が軒を連ねていた。
王が座っていたというベンチ
"オーディエンスホール"と名付けられていた会議場
コブラの形をしているという大きな岩
シーギリヤロックから下った後、博物館を見学。
日本のJICAの援助で建てられたものらしい。
素朴なシーギリヤ博物館の入口
博物館内のショップで本を1冊買う。
300Rs(スリランカルピー)=約180円。
安い。
遺跡を後にし、13時前、すぐ近くの街道沿いにあるニューシーギリレストランという店で昼食を摂る。
相変わらずブッフェで、カレーも何種類もあるが、どれも美味い。
私は決して辛いものが得意な方ではないので、旅行前は少しだけ心配していたのだが、
観光客向けの食事だからということもあり、まったく問題なく実においしく毎食頂いている。
各種カレーやマンゴーチャツネも非常に美味かった
ガイドのプレーマ氏も一緒にテーブルを囲む
食後、昨日エレファントライドを見たから、というのも影響していないことはないが、
我々もゾウに乗りたいと所望して、予定には入っていなかったそのイヴェントに参加するため、
シーギリヤからほど近いハバラナという町へ移動する。
ハバラナは、ミンネリヤ国立公園等へサファリに行く際の拠点となっているようで、サファリジープを多数目撃。
ケニアを少し思い出すなあ。
いざゾウの背に乗って出発
14時、私たちの乗るゾウの準備が整い、乗車ならぬ乗象。
乗り心地は正直まったくよくない。
ガンガン揺れるし、背中に籠のようなものを設置してそこに乗ってはいるものの、
クッションになる類のものは何もないので、揺れるたびに体中があちこちにぶつかって痛い。
しかし眺めはいいし、気分は悪くない。
怪しい象使いたちに促されて籠から飛び出し、ゾウの首にも直接跨ってみたら、
歩くたびにズリッと落ちそうになり結構怖い。
思わずギュッと脚を締めるから、内転筋が疲れた。
妻も私の後に代わって首に乗っかったが、「こっちの方が乗りやすい」と言っていた。
さすがにコアがしっかりしておるようで。
首の上に座ってみたが、結構不安定で怖い
他のエレファントライダーたちとすれ違う
乾季とはいえ極度に雨が少ないそうで、本来はもっと水位があるはずの湖はほとんど干上がっており、
聞けば15年ぶりかそこらの渇水状態。
常ならばエレファントライドはこの湖の中にジャブジャブ入っていくというくだりもあるみたいだが、
この時はそうはいかないので、湖畔の道路を行って帰ってくるコース。
その道中、小さなカメレオン、そして全長80cmほどはあったかと思われるオオトカゲも見ることができた。
このオオトカゲ、Lizardだと何回言っても、象使いは「Iguana」だと間違っていた。
木の上に留まっていた小さなカメレオン
オオトカゲもノソノソ歩いていた
私たちが乗ったゾウは25歳のメスで名前はラニというそうだ。
道々ちゃっかり餌付け用のバナナ売りがいて、それを一房100Rs(約60円)で買い求めて、
背中からゾウにあげる。
鼻をグイーンと伸ばして取りにくる。
鼻でバナナを取りにきて器用に食べるラニ
楽しいエレファントライドを終えて、15時過ぎ、ハバラナの町を後にしてダンブッラに戻る。
ホテルに着き、ショップで昨日目をつけていた「Mammal of Sri Lanka」という本を購入した。
シーギリヤで買った本とホテルで買った本
まだ夕食までは時間があるので、風呂に入ってから、ホテルの敷地内を散策に出る。
裏手の方に、ハヌマンラングールがたくさんいるエリアがあった。
ホテルの上にいるハヌマンラングール
部屋のヴェランダにたくさんやってくるサルは、トクモンキーという、
一見ニホンザルにも少し似たいわゆるマカク属のサルなのだが、
顔が黒く体が白いハヌマンラングールはこの時、初めて目にした。
しかしこいつらはトクモンキーと大違いで意外や警戒心が強く、人の気配を感じて逃げ回る。
そういやその昔、"ハヌマーン"という特撮ヒーローがウルトラマンシリーズに登場したな…。
裏手の芝生からホテルの建物を見るとこうなっている
この日も18時過ぎから岩の上に座っておじさんがフルートを吹いていた
カフェスペースに巻きついていたコブラのオブジェ
カフェスペースで、アイスクリームミルクシェイクのチョコレートとココナッツをそれぞれ妻と味わう。
美味い。
しばしボーッとしてから夕飯を食べに。
ブッフェのメニューはまた昨夜とは変わっていて、どれもやはりおいしい。
チキンを焼いたもの、エビを焼いたもの、そして各種デザートなんかが心に残る。
テラススペースでチキンとエビを焼いてくれる
グリルされたチキン、エビとソーセージ
デザートのケーキ類も非常に充実していた
レストランに居合わせたイスラムのおやじは見たところ、第6夫人まで引き連れて旅行に来ているようで、
当然子供たちもたくさんいるから相当な大所帯。
夫人は6人とも目だけを出してあとはズッポリ黒布で覆うという衣装を纏っていたので、
戒律が厳しい国の人たちなのだろう。
口を覆う布の下からコップを差し入れてコーラを飲む様はなかなか印象的だ。
食後、昨日と同じくラウンジで紅茶を飲みながら生演奏を聴く。
今日はバンジョーに代わってアコーディオンが入っていた。
他の日本人グループを率いる現地ガイドが飛び入りして歌ったりしていた。
昨日と同じく、ラウンジで生演奏を聴きながらボーっとする
たっぷり寛いで部屋に戻り、22時就寝。
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