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「八つ墓村」★★★★☆
横溝正史
角川書店
2011.9.21 記 |
今さらながらに初めてちゃんと読んでみた。
今のミステリーに慣れてしまっている読者には、これでもいささかシンプルに感じられるかもしれないが、ストーリーはなかなかに込み入っており、なるほど映画化などに当たってはある程度の簡略化もやむなし、と思われる。
ただ、これも目の肥えた2010年代の読み手からすると、という注釈がつくのかもしれないが、各トリックや謎解きはやや強引でご都合主義の嫌いがある。
しかしながら、現在ミステリー作家として名高い人たちの作品にも色濃く影響を残しているであろうことが窺える、まさに古典の王道といった趣で、読み応えはあった。 |
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