いろいろ例を挙げるまでもなく、これまでの枠を打ち壊して新しいビジネスステージを創出していく人というものは、少なからずエキセントリックで独善的で、時に非常識ですらある、ということが改めてよく分かる。
ただ、その考えや手法、根底に存在する理論が間違っておらず、また実際に結果も伴っているので、周囲を従わせるに足るのだろう。
ビジネス指南の啓発本というジャンルとして見ると、具体的で興味深い体験談が意外なほど多く、ただのお説教ではなくて読み物としても充分面白いものになっている。
ちなみに著者の森岡毅氏は、本書からは剛腕・強面といったちょっと怖そうなイメージを受けるが、実際にお会いすると、そのマシンガントークから頭の回転速度は強く窺い知れるものの、柔らかい笑顔を湛えた、とても人当たりのいい方である。 |