著者の"サバイバル登山"の定義について、様々な批判的見方があることは見聞しているが、本書でも本編に入る前段で、"各人それぞれが技量や経験に応じてフェアだと思うルールを決めればよい"という旨、説明しているので、私はそこに関しては反発は感じなかった。
"避難小屋に立ち寄ってデポのカップラーメンを食べてしまった"と正直に告白されているくだりなど(笑)、ツッコミどころは多々あったが、それもまた織り込み済みの"芸風"というか。
今のところ狩猟免許を取る予定はないし、ライトもスマホも持たずに何日も山を彷徨う予定もないので、この本に書かれている具体的なノウハウがそのまま役に立つところは私にとっては少ないが、それらのテクニックの真髄は我々、凡人が行うアウトドア活動にも充分応用できるし、何より山や動植物の命などといった自然界の万物に対する、自分の中での基準線を確りと引くために、本書は大きな助けとなる。 |