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「その可能性はすでに考えた」★★★★☆
井上真偽
講談社
2016.1.23 記 |
いかにもラノベ然とした登場人物のネーミングや文章表現に、読み始めの頃は多少抵抗を感じたが、ストーリーに入り込めて以降は意外とスイスイいけた。
主人公が奇蹟の証明にこだわる根拠やその理論的背景などにまつわる説明が拙い、という根元的な弱点はあるものの、デビュー2作目にして(だからこそなのか)このような舞台設定に挑戦したという意気込みは素直に評価したいと思う。
帯の惹句でどなたかが言及されているように、まさにこれこそが作家性というものではないか。 |
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