海洋空間佳本


震度0 震度0」★★★★☆
横山秀夫
朝日新聞社

2011.5.2 記
実に読み応えのある警察小説だ。
私たち門外漢にとっては、作中に描かれている警察幹部たちの姦計や策略がどれほどリアルなものなのか判断はつかないが、そんなことは抜きにしてどっぷりとのめり込めるほどに構成力が高い。
ただ、「半落ち」を読んだ際にも思ったけど、この人の小説は時としてオチが弱いことがある。
この作品の場合も、いかにもミスリードっぽい伏線が中途半端に活きていたりして、よく出来たミステリーがもたらす、相応の驚愕を伴いながらもストンと腑に落ちる読後感、のようなものはちょっと足りなかったように思う。
にも拘わらず、全体としては傑作であると感じさせる技術が凄いんだけど。





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