いわゆるバイオハザード、パンデミックものとして中盤までは進むが、そこから昆虫パニックものに急転回。
話の運びも、クライマックス以降はアクション映画張りのドンパチに結構な紙幅が費やされている。
はっきり言って粗は多いと思う。
序盤からハードボイルド調のセリフ回しに若干白け気味になり、それ故に登場人物たちのやりとりが浅薄に感じられることは否めない。
また、無理やり年頃の女性を物語に割り込ませているようなところも、些か陳腐な印象を与える。
が、惨劇の真相が明らかになるあたりからの加速感がなかなか気持ちよく、いかにもエンターテインメント然とした派手なアクション描写にも、無理なく入り込むことができた。
中盤を過ぎても、例えばなぜヘリが墜落してもあの2人だけがピンピンしているのかとか、彼はシロアリに襲われたのにどうして他の犠牲者たちのように瞬時に絶命しないのかとか、そもそも廻田の脳内に響く声はなんやねん、などといった素朴な疑問はいくつか浮かぶものの、それらを束の間覆い尽くすように没入することができたので、甘めの星4つ。
プロットは面白い。 |