妖刀村正ならぬ"月切"に宿る怨念、そしてそれに憑かれて超人的なテロリスト"カタナ"と化す一般人…、というオカルトな設定さえ自分の中で上手く消化できれば、典型的なアクションムーヴィー(というにはヴァイオレンスに寄り過ぎか。とにかく人がコロコロと死んでいく)を観ているかのように楽しめる作品だろう。
NSAや諜報ビジネス企業などが本筋に大きく絡んでいるところも、ちょうど世相をタイミング良く映している。
若干詰め込み過ぎ、展開もご都合主義的なところを感じるけれど(このあたりもハリウッド映画っぽいかも)、これが渾身のデビュー作ということで、それもむべなるかな。
決して悪い印象ではない。
あとがきに著者のパーソナリティーが垣間見えて、いい感じだ。 |