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「水底フェスタ」★★★★☆
辻村深月
文藝春秋
2014.9.6 記 |
評するのが難しい作品だなあ。
プロットもディテールも結構荒唐無稽で無理があって、書き込みもそれほど丁寧ではないから、なんだこりゃ、と放り出されても不思議ではない小説なんだけど、そこを著者の腕力で以て何とか抑え込んでいる、という印象。
実際、特に後半に差し掛かると、先が気になって止まらなかった。
いわゆる日本の村社会を舞台とした、伝奇物やそれに類する作品が個人的に好きなので、そこはプラス要素。
主人公の広海にはまったく共感を覚えなかったが、メンタルが不安定な若者たちの危うさ、が強調されている点は、いかにも辻村深月氏らしい。 |
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