映画化されたという話題からこの本の存在を知り、読んでみたのだが、評判に違わず面白かった。
そしてそれと同時に、なるほどいかにも映像化に向いた、一級のエンターテインメントであるということも呑み込めた。
本筋としてはミステリーの軸を貫きつつ、ともすればちょっと詰め込みすぎかも、と感じられそうなほどにいろいろな要素がてんこ盛り。
登場人物の相関や名前が覚えづらくて、頻繁に家系図を参照しなければならない、という面倒くささはあるものの、特に上巻の後半以降はストーリーがグッと加速していき、惹き付けられたまま最後まで読み進めることができる。
クライマックス以後、物語の締めくくり部分はこれでもかというぐらいに幾重にも渡って展開されているが、それもうんざりすることなく、余韻も含めて楽しめる。
日本語訳も素晴らしい。 |