そこらへんのホラーよりもよっぽど恐ろしい本だ。 私も本格的な登山ではないが、トレイルランやスピードハイク等で近所の山に軽装で入ることが多いので、まったく他人事じゃない。
実際、「あ、これちょっと道間違えたな、まあ方角は大体分かってるしこのまま突っ切るか」等と軽く考え、薮漕ぎしたり滝を越えたりしながら強行突破したこともしばしばあり、反省しきりでもある。 山で道を間違えたら引き返す、というのは鉄則であり、この本で紹介されている遭難例もその鉄則に背いたが故、というのがほとんどだ。 決して山をナメたらいけない、という怖さを改めて心に刻むとともに、次に道を間違えたら必ず分岐まで来た道を戻ろうという決意を新たにした。 また、勝手知ったる山域や近所の低山でも気を緩めることなく、短時間で帰るつもりであっても、行動食、ライト、防寒具、雨具等を極力携帯することも重要だろう。 人はやはり獣にはなれない。 |