「
ルパンの消息
」★★★★☆
横山秀夫
光文社
2012.11.8 記
これが幻のデビュー作か。
刊行に当たっては改稿が行われているらしいが、それにしても変わらぬ上手さだ。
論理的な破綻はまったくない。
物語が進んで一つ二つと伏線が片づけられていき、「あれはどうなったんだろう…」と読み手が感じ始めるまさにそのタイミングで、その点にメスが入れられる。
気持ちいいリズムだ。
斜めから掠めるような3億円事件の絡め方もまた小憎らしいほど。