海洋空間佳本


凍りのくじら 凍りのくじら」★★★★☆
辻村深月
講談社

2012.9.28 記
きっちり泣かせにくるし、構成も文章も上手いし、題材も面白いと思うのだが、「結局最後はこれかいなー」という肩透かしに似た気分を少しだけ感じた。
道尾秀介氏の「向日葵の咲かない夏」の読後、あるいは昔日本テレビで放送していた「共犯者」というドラマを観た後のような?
いや、充分に感動的で上質な作品なんだけど。
終盤のミスリードも上手く活きている。

主人公の負の部分の心理を描く作者の気持ちはよく分かる。
いずれにせよ、この年齢時にここまで書き上げる力には感服。





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