「
今夜、すベてのバーで
」★★★★☆
中島らも
講談社
2012.7.29 記
小説の形をとってはいるが、ご本人も言っている通り、これはほぼエッセイのようなものだ。
下戸の私には無縁の話ながら、アル中経験者じゃないと書けないリアルな描写に溢れていて、「
牢屋でやせるダイエット
」同様、グイグイ引き込まれる。
結局は酒からも薬からも逃げ切ることはできず、“らしい”死を遂げてしまったわけだが、その結末を我々は知っているだけに、今読むとなかなかに切ない。