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「邂逅の森」★★★★☆
熊谷達也
文藝春秋
2010.7.1 記 |
中盤以降、グッとペースが上がってくる。
マタギという特殊な世界が見せる横顔、まだまだ封建色が色濃く残っていた時代における寒村の実態、そしてそこに生きる男の葛藤…、さすがに直木賞受賞作のことだけはある、読み応えたっぷりの娯楽作品だ。
ただ、文章そのものは洗練され切ってはおらず、無用と思われる性描写が多いのも気になる。
いっそ、映画もしくはテレビドラマなど映像化には向いているように思う。
松橋富治という男のクロニクルと言えなくもない。 |
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