"怪談集"という名称が実にふさわしく、じわじわと背筋がうすら寒くなるような静かな恐怖が、格調高い文章から伝播してくる。まさに現代怪談の嚆矢とも言うべき作品集で、同様の形式を取っている他の凡百の書籍とは一段品格が異なる。