海洋空間佳本


イクサガミ 天イクサガミ 地イクサガミ 人イクサガミ 神 イクサガミ 天」「イクサガミ 地」「イクサガミ 人」「イクサガミ 神
★★★★☆
今村翔吾
講談社

2026.2.16 記
こんな誘いにのこのこ乗って集まってきたら、まるで闇バイトの勧誘に引っ掛かるアホと一緒ではないか…と呆れつつ読み始めた冒頭だったが、ゲーム仕立ての世界構築が特に若い世代に対する惹起力充分と思われ、よくできている。
端から売らんがために書かれた、いわばエンタメに100%振った作品であることがよく分かる。
また、そう認識した上で読めば、要らぬ不満を抱くこともなく純粋に楽しめるだろう。
ウェブドラマ版が話題になっているらしい…ということ以外、何ら予備知識なく読み始めたが、後で著者のインタヴュー記事等を読み、そもそもNetflixでの映像化を念頭に置いて執筆に取り掛かったと知り、驚いた。
一見ベタと思われる種々の要素も、ドラマ各話で盛り上がる箇所を設けるべく熟慮された結果の産物ということか。
とはいえ、大部分が文庫書き下ろしであることも影響しているのかもしれないが、途中あまりにやっつけではないか、と思われるくだりも多々。
校正含めずるずるの文章表現然り、ツッコミどころ満載のストーリーの展開然り、どちらかというと紙幅が進むごとに雑になっていくような気もする。
「控えめに言っても最高であった。」に代表されるイマドキの言い回しも複数出てくるが、悪ふざけが過ぎる。
今村翔吾氏の文筆家としての能力はこんなものではない…と知っているだけに、少々残念な部分も。

「北斗の拳」を想起させる設定が色々と出てくるが、嵯峨愁治郎と香月双葉はケンシロウとリンでないか、と読了時に独り感得。
また、NHKと旧日本陸軍幹部の遺族とのトラブルが記憶に新しいだけに、川路利良という実在の人物をここまで悪玉に描いて大丈夫か…? と他人事ながら心配になった。





戻る

表紙