海洋空間佳本


平成怪奇小説傑作集1 平成怪奇小説傑作集1」★★★★☆
東雅夫 編
東京創元社

2019.9.14 記
おなじみ、東雅夫氏によるアンソロジー。
平成の初期10年に絞った第1集。
個人的にはやはり質に多少のばらつきは感じるものの、いかにも氏の選らしい作品が並んでいる。
久々に読む坂東眞砂子氏は変わらず重く湿った雰囲気を醸し出しているし、怪奇小説というよりSFにカテゴライズされるであろう「静かな黄昏の国」で篠田節子氏は原発の未来を見通す慧眼を示している。
他作でイマイチの感想を持った加門七海氏も、収録作「すみだ川」は古典的ながらも複層的に怪異が織り込まれており、読み応え充分。
続く第2、3集にも期待。





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