名作「チーム」の続編であり、堂場瞬一氏の手による作品であるが故に、もちろん凡百に埋もれてしまうような代物ではない。
今回も前作同様、レースに入ってからの描写がまるで「キャプテン翼」か「スラムダンク」か、と思うほどに濃密で、大半の紙幅が割かれている。
対照的に、これも前作と同じように本番に至るまでの流れが若干淡泊であることは確かで、特に今作では、山城が翻意してレース出場を決めるくだりにおいて、決定的に説得力が不足しているように感じた。
実はレース途中、小説後半部分で、山城がリタイアを選択するのではなく完走を決意した描写についてもそれは言えるのだが。
ラストシーンは、正直もう少し勝負してほしかったような気がした。
いずれにせよ、読み物として面白いことは間違いない。 |