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「冬の喝采(上) 」「冬の喝采(下) 」
★★★★☆
黒木亮
講談社
2013.12.14 記 |
これを読む季節はやはり今しかない、と12月まで温めていた本。
形は小説仕立てっぽいが中身は恐らくほぼノンフィクション、瀬古利彦と同じ時代に早稲田大学で箱根路を走った著者の青々とした日々が、鮮烈な筆致で語られている。
が、生々しくありながらも、無理に力が入った感情的な描写やモノローグはほとんどなく、一歩引いた冷静な語り口で綴られているので、これが意外と読み易い。
確かに著者は瀬古にはなれなかったかもしれないが、それでも私たちから見れば天に選ばれた一握りのアスリートたちが生きる世界に身を置いていたわけで、それがとくと感じられる。 |
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