60年前の出来事でありながら、「ムー」を毎月購読し、中岡俊哉の「心霊写真集」を貪り読み、メアリー・セレスト号事件やロズウェル事件などに思いを馳せては夢想していたオカルト少年の私も、このディアトロフ峠事件のことを知ったのは今世紀に入りしばらく経ち、夢もロマンも忘れたええおっさんになってからだった。 なるほど、本書を読み、旧ソビエト連邦体制下での出来事故に、最近まで情報がほとんど表に出てこなかったのか、と腑に落ちた。 もっと生き証人が多かった時代に詳細な調査がなされていれば…と思えど、後の祭り。 というわけで、実際に現地に足を運べど、苦労の割に得られた情報はやはり多くはないなという印象ではあるのだが、それでも現場でなければ拾えない感覚とデータを活かして、それっぽい結論に辿り着いたことは評価に値すると思う。 |