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「盤上の夜」★★★★☆
宮内悠介
東京創元社
2020.9.12 記 |
なんだこれはいきなり都市伝説が出てきたぞそんな話か…? と悪い意味で意表を突かれた書き出しだったが、物語が進み始めるとその第一印象もどこかに飛んでしまうほどで、やっぱり上手かった。
「それでも、二人の棋士は、氷壁で出会うんだよ」という由宇の言葉に、読み手は相田とともに涙する。
他の収録作も、それぞれ盤上遊戯において異能を持つ者たちの尋常でない世界を巧みに彫り上げていると感じた。
が、表題作のエピローグ的な一面も持つ、最後に収められた書き下ろしの「原爆の局」については、あるいは若干の蛇足だったかも…「盤上の夜」のラストが美しかっただけに。 |
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