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「Cの福音」★★★★☆
楡周平
角川グループパブリッシング
2009.7.4 記 |
福井晴敏氏を始め、少なくないフォロワーもいるであろう、スッキリとして読みやすく、ハードボイルド然とした文体。
スイスイ読み進むことができる。
普通の小説の構成であれば、本筋に入る前の状況説明、いわゆるルール整備に過ぎないであろう段階に留まったまま、ストーリーは終始し、あれあれと思ううちに、了。
ひょっとして最初から続編を念頭に置いて書き出したのでは…、と自ずと思われるような作品だが、なるほど、解説を読むと続編どころか、すでに6部作を想定して書かれたものであるという。
深く納得すると同時に、その構想力に脱帽。
あくまでも“つかみ”に過ぎない作品だが、決して面白くないことはない。 |
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