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「沈底魚」★★★★☆
曽根圭介
講談社
2012.7.13 記 |
私はこの著者の作品はこれまで短編集の「熱帯夜」しか読んだことはなかったのだが、ここまで本格的な長編を書く人だとは恥ずかしながら知らなかった。
ただでさえ複雑になりがちなスパイもの、そこを二重三重にこねくり回しているから、プロット自体がややこしくなってしまっていることは否定できないが、長編デビュー作にして、充分な意欲作だと思う。
ただ、傑作と呼ぶには、比較的早期の段階で“敵”が予見できてしまうことが妨げとなっており、惜しい。
好みとして、星4つ。 |
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