「
幕末まらそん侍
」★★★★★
土橋章宏
角川春樹事務所
2016.8.2 記
一応、マラソンを趣味とする端くれではありながら、この物語の基になる史実が本当にあったとは恥ずかしながら知らなかった。
本作は5編から成る連作集で、それぞれがベタな展開を見せ、決して意外性のあるプロットではないものの、確かな技術によって見事に纏め上げられており、娯楽小説として申し分ない出来となっている。
なぜだか人情話には、時代劇の設定がよく似合う。
鯱張った分析などは抜きにして、ストレスなく一気に読み終え、楽しんだ。