最後の「ペシャクパラング」編のまとめ部分の記述に、「あれ? 今までの高野さんとちょっと違う?」と感じたわけだが、著者あとがきを読んでなるほどと合点がいった。
でも個人的にはかつての高野さんの感覚の方がちょっと好きかな…。
ご本人もおっしゃっているが、モケーレ・ムベンベやジャナワールの時のように周到に準備をしてから長期間赴いた探索行ではなく、比較的ライトな感じの紀行が3篇。
しかしそこら中にいつもの高野節が詰まっているので、氏のこれまでの著作が好きな人なら無条件に買って損はない。
あまり人に対して“うらやましい”という表現は使いたくないのだが、サラリーマンである自分の身が恨めしく、そして著者がうらやましく思えることは事実。 |