海洋空間佳本


アマゾン源流「食」の冒険 アマゾン源流「食」の冒険」★★★★☆
高野潤
平凡社

2012.6.13 記
まったくの書き下ろしかと思って買ったら、実は「アマゾン源流生活」と結構重なっている、ということが冒頭に述べられていて少しガックリしかけたが、中身を読んでみたらまあ結構な割合で食に特化してリライトされていたので安堵。

個人的な興味が強いので読んでいられるが、さらに広いターゲットに強く喰いついてもらうためには、構成をもう少し工夫すべきだろう。
魚や果物などの現地名がほぼ羅列といっていい形で写真もなくツラツラと並ぶ本文は(綴じ込みとして挟まれているカラーページに写真はまとめられている)、なかなか単調かつタフでやっかいな相手だ。
その分、著者自身が体験された情報量は多いので、説得力と臨場感はある。

日本の都市部に暮らす我々と違い、ごく限らた種類の食事を限られたタイミングで摂ることしかできない現地の生活においては、勢い一食ごとの機会が日常の中で占めるウェイトは大きくなり、すなわち毎度の食事をより大切に、一品一品丁寧に味わって食べているのだな、という様がよく感じられる。
私も毎日の生活の中で、もう少しゆっくりと、一口ずつ噛み締めながらこれからは食事をしよう、と思い新たにした次第。





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