海洋空間佳本


赤い竪琴 赤い竪琴」★★★★☆
津原泰水
東京創元社

2010.2.23 記
淡々と、ストーリーも会話も心理描写もとにかく淡々と、という表現がピッタリくるような小説だが、あれよあれよという間に物語に引き込まれてしまったという、なかなかに不思議な作品。
マエストロ」と似ている、というわけでは別にないのだが、楽器職人というキーワードからはちょっと連想されるところもあり、また、主人公2人のラヴストーリーが篠田節子っぽいと言えなくもない。
結局は、津原泰水氏の筆力が圧倒的だということだろう。
ラストシーンにつながる終盤の流れは、個人的にイマイチかな。





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