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「64(ロクヨン)(上)」「64(ロクヨン)(下)」
★★★★☆
横山秀夫
文藝春秋
2019.4.23 記 |
何とか平成のうちに読むことができた。 これぞ横山秀夫節の真骨頂、警察を舞台にした男の嫉妬満載の人間ドラマを濃密に絡めつつ、誘拐事件を主軸に据えた骨太のストーリーが展開される。
キャリアvsノンキャリアの構図から引き起こされる軋轢や警察とマスコミの険悪な関係の描写、クライマックスで明かされる大きな"仕掛け"等は、例によってちょっと大仰にデフォルメされ過ぎの感があるが、リーダービリティ、引力は抜群で、長さを感じさせずグイグイ最後まで読み切れる。 女性の描き方がいかにも前時代的なステレオタイプで、さすがに今これでは引っ掛かる。 |
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